2004 Fiscal Year Annual Research Report
心筋虚血再灌流障害における活性酸素の動態の解明:電子スピン共鳴装置を用いた研究
Project/Area Number |
15591478
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
徳永 滋彦 九州大学, 大学病院, 助手 (80346775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 誉浩 九州大学, 大学病院, 助手 (50284500)
森田 茂樹 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (70243938)
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Keywords | 活性酸素 / 虚血再灌流障害 / 電子スピン共鳴装置 |
Research Abstract |
摘出心交叉灌流モデルを使用し、白血球除去群とコントロール群の2群においてヒドロキシルラジカル(・OH)と一酸化窒素(NO)を測定することで、白血球除去時のラジカルスカベンジャー(NO)の動態解明を行った。まず、それぞれの群の・OHを電子スピン共鳴装置で測定した。再灌流2分後の・OHの産生量はそれぞれ白血球除去群で0.98±0.30x10^<-2>/min、コントロール群で2.06±0.78x10^<-2>/minであり白血球を除去することで・OHの産生量が有意に減少することが解明された。さらにその時のNOの量を測定すると、白血球除去群では虚血前と変わらないNO量であったのに対してコントロール群では有意に虚血前に比してNO量の低下が認められた。すなわちNOが再灌流後に産生された・OHを含む活性酸素の除去スカベンジャーとして働いていることが示唆された。また、再灌流後の冠血流量を測定したところ白血球除去群ではコントロール群と比較して有意に流量が多かった。これはラジカルによる血管内皮障害が軽減されたことと血管拡張物質でもあるNOが残っていたためであると考えられた。24時間保存した心臓における活性酸素の再灌流障害に関しての研究も行った。現在臨床で使用されているUniversity of Wisconsin solution(UW群)と近年開発されたCelsior solution(C群)を用いた。両保存液はそれぞれ活性酸素の除去を目的としてラジカルスカベンジャー(UW群:アロプリノール、C群:ヒスチジン)が添加してある。まず2つの心保存液を用いたときの保存24時間後の心臓の機能の評価を行った。24時間後の心機能は有意差を持ってUW群がC群よりも良く、心筋細胞障害の指標であるCK-MBレベルもUW群で低かった。活性酸素による障害の簡易な指標となるLPOは両群間で有意差がなかった。
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