2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15591487
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
遠藤 俊輔 自治医科大学, 医学部, 助教授 (10245037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蘇原 泰則 自治医科大学, 医学部, 教授 (60114097)
佐藤 幸夫 自治医科大学, 医学部, 講師 (10312844)
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Keywords | 経気管支標的治療 / ARDS / GFPラット / 蛍光顕微鏡 / 白血球の活性化 / ステロイド |
Research Abstract |
今年度はエンドトキシンにより急性肺損傷を誘発したGFPラットモデルを用いて白血球動態を可視化し、液体呼吸剤を媒体としたステロイドの経気管支治療の有用性を検討した。 (対象)エンドトキシン静脈注射(1μg/g)により、急性肺損傷を起こした自家緑色蛍光発色(GFP)ラット。 (方法)液体呼吸剤(PFOB8ml/kg)を媒体としてmethyl predonisolone(50ng/kg)を経気道的に投与した群(液体治療群)、液体呼吸剤のみ投与した群(液体呼吸群)、methyl predonisolone(50ng/kg)を静脈注射した群(静脈治療群)、何も投与しない群(対照群)の各群についての白血球の接着性をエンドトキシン投与後から同一視野で経時的に観察した。観察領域は左肺横隔膜面の領域を観察用のボックスに固定し、蛍光顕微鏡を通して自家蛍光を発する好中球の接着性を観察した。 (接着性の判定)好中球の接着性を停滞性と鑑別するため、2分以上停滞する好中球を接着好中球と診断した。 (結果)対照群ではエンドトキシン投与後15分で白血球が接着し1時間後には接着した好中球により顕著な微小循環傷害を認めた。一方、methyl predonisoloneを経気道投与した液体治療群は静脈注射した群と同様にエンドトキシンを投与しても好中球の接着性は亢進せず、微小循環障害も生じなかった。 (結語)ARDSに対して、液体呼吸剤を媒体としたステロイドの経気管支標的治療は有用で臨床応用可能と考えられた。
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Research Products
(7 results)