2004 Fiscal Year Annual Research Report
胸部大動脈瘤治療における血管内挿型人工血管のシュミレーションシステムの開発
Project/Area Number |
15591492
|
Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
川口 聡 東京医科大学, 医学部, 助手 (50266491)
|
Keywords | 血管内挿型人工血管 / ステント / ステントグラフト / 大動脈瘤 / 胸部大動脈瘤 / 血管内手術 / 低侵襲治療 |
Research Abstract |
本年度も平成15年と同様の方法でデーターの蓄積を継続し、血管内挿型人工血管のシュミレーションシステムを完成させた。 30人の患者の同意を得て収集した3次元CTを用いて、現有設置されている画像構築システムで胸部大動脈瘤像をコンピューターモニター上に描写し、昨年度にパターン化した10種類の動脈瘤形状のいずれかにそれぞれの動脈瘤を合わせ、そのパターンにあった血管内挿型人工血管(ステントグラフト)を設計、作製し、収集した3次元CTより実体化した光硬化樹脂モデルを用いて作製したステントグラフトのフィッティングの良し悪しを確認してポイント化し、昨年に追加してデーターを蓄積した。また、生体の血流に近似した水流回路内でもステントグラフトの瘤閉鎖効果を確認し、瘤破裂の原因となる瘤内血流が消失するようにステントグラフトの構造をさらに改良した。くわえて、既に臨床の場でステントグラフトによる治療を受けられた患者の追跡調査により、CTや単純X-Pから長期間でのステントグラフトの経年変化を確認し、耐久性に関する情報もデーターとして蓄積した。 その結果、昨年度の10パターンを見直すことで、最終的に瘤形状およびそれにフィットするステントグラフトのパターンは瘤中枢側部位で4パターン、瘤末梢側部位で3パターンとなり、それぞれを組み合わせることで合計12パターンとなった。昨年度以上にシミュレーションシステムの精度は向上し、ステントグラフトの動脈屈曲への追従性、固定性、密着性はさらに向上し、本システムの有効性は極めて高いものとなった。臨床においても従来の診断法に加えてこのシステムを中心にステントグラフトを作製し、より安全で確実な治療が可能となった。
|
Research Products
(5 results)