2004 Fiscal Year Annual Research Report
除神経後高頻度電気刺激法による遊離骨格筋の形質転換と再生心大血管外科への応用
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15591496
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
森田 紀代造 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (70174422)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長堀 隆一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (50271309)
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Keywords | 骨格筋グラフト / 除神経 / 高頻度電気刺激 / フォンタン手術 / 再生心大血管外科 |
Research Abstract |
遊離神経切断除神経グラフトの基礎的研究(研究I)の結果、遊離神経切断除神経グラフトは電気的刺激応答性や収縮機能の減弱は不回避であるが、組織学的にviablityの維持が可能であったことから、電気駆動以外に遊離グラフトを用いた形成手術としての応用の可能性妥当性が示唆された。しかし動的心筋形成、心機能の補助を目的としたグラフト使用に際しては除神経グラフトの収縮機能が十分でなくさらに検討が必要であった。そこで研究IIとして骨格筋ポンプ(skeletal muscle ventricle : SMV)を用いた右心バイパスモデルDynamic Fontanの肺循環代行の可能性について検討した。対象はビーグル犬10頭(体重9.8±0.7kg)。左側広背筋を用いてSMVを作成し、8週間のpreconditioning後、人工心肺下に右房-SMV-肺動脈の右心バイパスルートを作製し、胸背神経に高頻度burst刺激を与え、SMVを駆動し、大動脈圧(AoP)、肺動脈圧(PAP)、中心静脈圧(CVP)、肺動脈血流量(PA flow)を測定した。SMV駆動によりCVPは17±1.4mmHgから13.5±0.7mmHgに有意に低下し、PAPは20±2.8/19±1.6mmHgが37.5±4.9/18±2.1mmHgへと上昇した。人工心肺離脱後、肺血管抵抗は5.9±1.5Wood unitに上昇したが、SMV駆動によりCVPは低下し、術前と同程度のPA flowが得られた。胸腔内SMVを用いた右心バイパスシステムは高肺血管抵抗を伴うフォンタン手術適応外の重症単心室症並びに単心室類似疾患に対する新しい治療法となる可能性が示唆された。
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