2004 Fiscal Year Annual Research Report
わが国における頭蓋内および脊髄硬膜動静脈瘻の疫学的調査
Project/Area Number |
15591512
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Research Institution | TOYAMA MEDICAL AND PHARMACEUTICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
桑山 直也 富山医科薬科大学, 附属病院, 講師 (30178157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 道也 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (10234486)
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Keywords | 硬膜動静脈瘻 / 疫学調査 / 発生頻度 |
Research Abstract |
平成15年度に1236施設を対象として施行した「わが国における頭蓋内硬膜動静脈療の疫学調査.第一次調査(最近5年間の経験症例数)」の結果、338施設より1815例の硬膜動静脈瘻症例が今年度までに登録された.発生部位の内訳は海綿静脈洞部の病変が826例(全体の46%)、横静脈洞部514例(28%)、脊髄105例(5,8%)、上矢状静脈洞部97例(5.3%)、前頭蓋底部79例(4.3%)、頭蓋脊椎移行部60例(3.3%)、テント部58例(3.2%)、その他76例(4.2%)であった.この結果から、本邦における本疾患の検出率(発生率)は年間0.28症例と算出された.また欧米とは海綿静脈洞と横静脈洞部の頻度が逆転していることが判明した.地域別検出率は、北海道・東北地方が年間0.40症例、関東甲信越0.19、中部0.37、近畿0.31、中国・四国0.25、九州・沖縄が0.30であった.平成16年度は一次調査で回答を得た施設を対象に、登録症例の詳細なデータ収集を行った(二次調査).現在のところ一次調査で5例以上の登録があった112施設から580例のデータが集積されている.症例の平均年齢は63.0±12.3歳、女性が60%であった.海綿静脈洞部は女性が80%で、眼症状が84%、耳鳴が10%に見られ、頭蓋内出血/静脈梗塞、脳圧亢進、痙攣などを呈したaggressive lesionは3.9%であった.82%の症例が血管内治療を受けていた.横・S状静脈洞部は男性が58%で、症例の33%に耳鳴が見られ、aggressive lesionは49%であった.67%が血管内治療、16%が外科治療、11%が放射線治療を受けていた.脊髄では男性が61%、部位は頚髄24%、胸髄64%、腰仙髄12%であり、94%が脊髄症状を伴っていた.上矢状静脈洞部は男性優位(72%)で83%がaggressive lesionであった.前頭蓋底部は男性優位(85%)で60%が出血発症であった.頭蓋脊椎移行部は性差がなく頭蓋内出血が58%、脊髄症状は5%であった.テント部は男性優位(75%)で67%がaggressive lesionであった.二次調査は平成17年3月で締め切り、その後、最終的なデータ解析を予定している.
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