2004 Fiscal Year Annual Research Report
小児悪性脳腫瘍における包括的遺伝子解析と分子診断法の確立
Project/Area Number |
15591514
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Research Institution | KANAZAWA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
藤沢 弘範 金沢大学, 医学部附属病院, 助手 (40283113)
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Keywords | 小児悪性脳腫瘍 / 頭蓋内胚細胞性腫瘍 / KIT / c-kit遺伝子 / 分子標的薬 / イマチニブ / 髄芽腫 / atypical teratoid / rhabdoid tumor |
Research Abstract |
研究計画書に従い,平成16年度は以下の3つのテーマについて研究を行った. (1)髄芽腫における免疫組織学的および細胞遺伝学的異常とその臨床的意義(平成15年度からの継続) 〜c-,N-mycおよびβ-,γ-カテニン,cyclin D1に着目して〜 (2)Atypical teratoid/rhabdoid tumorにおけるcyclin D1の発現とその意義(平成15年度からの継続) (3)頭蓋内胚細胞性腫瘍におけるKITの発現とc-kit遺伝子の変異解析 (1)の成果は,2005年3月米国脳神経外科学会誌Journal of Neurosurgery(Pediatrics)に発表した. (2)の成果は,脳腫瘍関連の国際医学雑誌Journal of Neuro-oncologyに受理され,印刷中である. (3)は平成16年度に新規に取り組んだ研究テーマである.頭蓋内胚細胞性腫瘍はastrocytomaに次いで第2位を占める小児悪性脳腫瘍で,neoadjuvant therapy導入後格段に治療成績が向上しつつあるが,非ジャーミノーマ群を中心として未だ治療抵抗例が存在する.近年,チロシンキナーゼ受容体の1つであるKITを発現する腫瘍が,分子標的薬イマチニブに高い感受性を示すことが判明し注目されている.本研究では当科で経験した26例について,KIT,CD34の発現,c-kit遺伝子の変異を解析した.その結果,KITはgerminomaおよびmixed germ cell tumorのgerminomatous成分の腫瘍細胞膜のみに高発現が認められた.c-kitの変異は3例のgerminoma(13例中3例,23%)において,計5個検出された.いずれもミスセンス変異であり,機能獲得性作用が示唆された.これら変異に対するイマチニブの効果は明らかでなく,今後検討の必要がある.本研究は,頭蓋内胚細胞性腫瘍においてKITの発現と同時にc-kit変異を解析した初めての報告であり,現在国際医学雑誌に投稿中である.
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Research Products
(6 results)