2003 Fiscal Year Annual Research Report
非侵襲的神経伝達物質画像を用いたヒト大脳基底核障害における神経回路網の機能的解析
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15591538
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
笹島 浩泰 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (80196188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 靖夫 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (60363975)
今堀 良夫 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教授 (80191899)
峯浦 一喜 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (70134103)
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Keywords | 大脳基底核 / PET / ^<11>C-diacylglycerol / ^<18>F-fluorodopa / パーキンソン病 / 脳腫瘍 / 神経回路可塑性 / 神経伝達物質 |
Research Abstract |
ヒト大脳基底核は運動調節や体性感覚統合および学習や記憶などに密接に関与しているが,回路網の詳細には不明な点が多く,大脳基底核疾患においては治療標的の特定に難渋している.大脳基底核障害患者に経時的PET検査を施行し,神経回路網の機能的変化を可視化して神経回路の可塑性を検討することとした. パーキンソン病患者において,^<11>C-diacylglycerol-PETを用いてphosphoinositide turnoverを測定することにより,pallidothalamic systemの神経回路活動を視覚化した.正常被験者では,運動野や基底核でのpostsynaptic responseとしての再現性に乏しく,単純な運動負荷ではpallidothalamic systemの活性化には変化がみられなかった.パーキンソン病患者では単純な運動負荷でもrepeatableな反応が現われ,線状体でのphosphoinositide turnoverが亢進し,また同側視床の活性が抑制されpallidothalamic systemのレスポンスが観察された.すなわち,パーキンソン病における視床下核を介する間接路の優位性が示された.また,大脳基底核部腫瘍患者に^<18>F-fluorodopa-PETを施行し,治療前後でドパミン細胞シナプス前部機能を評価した.脳実質内発育を示す瀰漫性腫瘍ではドパミン細胞が腫瘍内に分散化し,実質外発育を示す腫瘍ではドパミン細胞の圧排性集積が確認され,腫瘍の質的診断に寄与することが新たに判明し,治療後にドパミン細胞シナプス前部機能が回復することが確認された. PET検査で得られた大脳基底核部神経伝達物質代謝の生化学情報を定量解析して既知の神経回路網と対比しながら神経症状の推移を考慮することにより,大脳基底核部における神経回路可塑性のメカニズムが解明されると期待される。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yamada K, Kizu O, Mori S, Ito H, Nakamura H, Sasajima H, et al.: "Brain fiber tracking with clinically feasible diffusion-tensor MR imaging. Initial experience"Radiology. 227(1). 295-301 (2003)
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[Publications] 今堀良夫, 大和田敬, 立澤和典, 笹島浩泰, 峯浦一喜: "分子画像診断.放射性トレーサーの現状と今後の展開"分子脳血管病. 2(2). 149-156 (2003)
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[Publications] 峯浦一喜, 笹島浩泰, 大和田敬, 今堀良夫: "FDG-PETとmethionine-PET"Clinical Neuroscience. 21(5). 537-538 (2003)
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[Publications] 峯浦一喜, 高橋義信, 笹島浩泰, 笹嶋寿郎: "垣添忠生(監修):QOL向上を目指した癌の外来化学療法マニュアル.脳腫瘍"メディカルレビュー社,大阪. 335 (2003)