2003 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノムDNAマイクロアレイを用いた悪性神経膠腫の化学療法効果判定に関する研究
Project/Area Number |
15591542
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
荒井 啓史 岩手医科大学, 医学部, 講師 (30285598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
別府 高明 岩手医大学, 医学部, 講師 (70275543)
小川 彰 岩手医大学, 医学部, 教授 (10204067)
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Keywords | 悪性神経膠腫 / ゲノムDNAマイクロアレイ / 化学療法 |
Research Abstract |
悪性神経膠腫(glioblastoma、anaplastic astrocytoma)13例から、腫瘍DNAの抽出を行い得た。腫瘍組織における実際の遺伝子増幅の状態を知るために、これらの腫瘍DNAを対象としてgenome DNA microarrayにより、約300種類の遺伝子について解析を行なった。その結果、増幅を示した遺伝子としては、EGFR(7p12.3-p12.1)が約40%と最も高頻度に検出された。しかしながら、EGFRの増幅を認めた症例と、認めない症例の間において、その生存率、補充療法(放射線療法・化学療法)に対する反応性との間には、統計学的な差は認められなかった。また、Comparative genomic hybridization(CGH)上で7pのDNAコピー数の増加(gain)を認めた例の中で、EGFRの増幅を示さない例も存在したが、他の7p上の遺伝子についても増幅は検出されず、CGHによる7pのgainが、いかなる理由によるものであるかは未だ不明である。一方、欠失を示した遺伝子として頻度の高かったものは、MTAP(9p21.3)、FGFR2(10q26)、DMBT1(10q25.3-q26.1)であった。悪性神経膠腫における10番染色体長腕(10q)の欠失は良く知られており、10q上に存在する遺伝子で悪性神経膠腫に係わるものとしては、PTEN(10q23.3)が多数報告されている。今回の結果ではPTENの欠失以外にも、前述のFGFR2、DMBT1の欠失が高頻度に検出された。この両遺伝子とMTAPの欠失については過去に悪性神経膠腫における報告はなく、あらたな関連遺伝子異常である可能性がある。今後これらの遺伝子についても、化学療法感受性との関連について検討する。
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Research Products
(1 results)