2005 Fiscal Year Annual Research Report
高次脳機能測定のための新しいシステムの開発-fMRIとMEGの統合測定システム-
Project/Area Number |
15591549
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大平 貴之 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (40146618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河瀬 斌 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40095592)
福永 篤志 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10265829)
賀戸 久 金沢工業大学, 技術応用研究所, 教授 (60278091)
小川 誠二 濱野生命科学研究財団, 小川脳機能研究所, 所長 (00358813)
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Keywords | 正中神経電気刺激 / 機能的MRI / じゃんけん / 脳磁図 / 近赤外線トポグラフィー / 高次脳機能 / 脳虚血 |
Research Abstract |
1)後出し負けじゃんけん まず、fMRIによる負けじゃんけんとあいこじゃんけんのデータを詳細に比較検討した。その結果、左手負けじゃんけんでは左補足運動野(SMA)が、左手あいこじゃんけんでは右SMAがそれぞれ強く賦活され、右手負けじゃんけんでも左SMAの反応が強かった。以上より、左SMAがステレオタイプな動作を制御する機能や葛藤条件の監視に関与していることが示唆された(発表論文参照)。 次に、MEGで同様のタスクが施行可能かどうかについて検討した。しかし、「じゃんけん」という手指の運動のために発生するノイズは、我々が使用したフィルターでは除去不可能であることが判明した。 2)正中神経電気刺激 両側正中神経電気刺激による大脳賦活反応について検討した。まず、fMRIを用いた研究で、i)同時、ii)100msecのdelay、iii)30msecのdelayの3条件下で実験を行ったところ、健常成人6例全例に大脳皮質運動感覚野に賦活反応が見られた。反応の強さおよび分布の傾向としては、同時刺激と100msec delay刺激の両条件にはあまり差が見られない一方、30msec delay刺激では、大脳皮質運動感覚野における活動が縮小する傾向が見られた。次に、全頭型MEG(160チャンネル,HPF3Hz,LPF1kHz,Sampling Rate 1000Hz)にて同様のタスクを行ったところ、30msec delayでは76msec付近の波が消失する傾向にあった。 3)頚動脈狭窄患者の術前後高次脳機能評価 高次脳機能評価の臨床へのアプローチとして、頚動脈狭窄患者のステント留置術前後にNIRSを用いて血中Hb濃度の変化を測定した。その結果、運動負荷中、傍M1領域では術前にHb濃度が著明に上昇したが、術後にはほとんど上昇せず、いわゆるsteal現象がみられた(発表論文参照)。今後、fMRI、MEGへの応用が課題である。
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Research Products
(2 results)