2004 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄幹細胞を用いた虚血脳における神経再生の基礎的研究
Project/Area Number |
15591555
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
河本 圭司 関西医科大学, 医学部, 教授 (70077741)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池原 進 関西医科大学, 医学部, 教授 (90108986)
吉村 晋一 関西医科大学, 医学部, 助手 (60298891)
保阪 直樹 関西医科大学, 医学部, 講師 (30388459)
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Keywords | Regeneration / bone marrow / stem cell / ischemic brain / flow cytometry |
Research Abstract |
目的 再生医療の中で神経再生は不可能という時代から、最近になって神経移植・再生が注目されてきた。国内では岡野栄之らはES細胞を用いた神経細胞への分化・移植を行い、再生に向けて試みつつある。しかし、骨髄幹細胞を用いた虚血脳の神経再生については世界的には未知の分野である。我々は臨床応用に最も近いモデルとして、骨髄幹細胞に注目し、神経再生に有効な骨髄幹細胞を採取することである。フローサイトメトリー(FCM)で神経分化能を有する細胞を分取する方法を確立すること、胎児骨髄幹細胞の移植による虚血脳の神経再生の可能性を検討する。 結果 虚血脳の作成実験:ラットを用いて、一側中大脳動脈閉塞の実験を行い、完全閉塞モデルは完成した。 骨髄幹細胞の分化脳:骨髄幹細胞でも、造血系と間葉系の細胞が混合しており、さらに間葉系細胞が神経系へ分化する細胞として必要となる。PDGF-BBやb-FGFを付加し、神経系に分化させることに成功した。 FCMによる骨髄細胞のcell kineticsと細胞選択的分取:トランスジェニックラットの骨髄を培養し、PDGF-BB、b-FGFを加えた後、FCMでpropidium iodideによる核染色をし、細胞のDNA-histogramを作成した。これにより細胞のactivityを評価する。次に、骨髄細胞を培養することにより、神経細胞やグリア細胞へ分化するのを、FITC標識NF、PE標識GFAPにより標識させた。FCMのVantage (Beckton Dickinson社製)を用いて、各々を無菌的に分取する。分取した細胞を虚血脳に移植し、骨髄細胞が生着していることが確認できた。 骨髄移植:骨髄細胞の局所移植により、脳梗塞のvolumeの減少、梗塞巣の周囲に移植骨髄由来細胞が認められた。 以上より、今後臨床応用が期待される。
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Research Products
(1 results)