2004 Fiscal Year Annual Research Report
手指の関節再生を導く遺伝子治療の開発:関節発生の機構解明とその応用
Project/Area Number |
15591562
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
高原 政利 山形大学, 医学部, 助教授 (10236341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻野 利彦 山形大学, 医学部, 教授 (60109436)
高木 理彰 山形大学, 医学部, 助教授 (40241707)
土田 浩之 山形大学, 医学部, 助教授 (40250922)
村 成幸 山形大学, 医学部, 助手 (00312728)
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Keywords | 関節 / 手指 / 非荷重 / GDF5 / 関節軟骨 / 遺伝子治療 / brachypodism |
Research Abstract |
GDF5の機能不全マウスを用いて手指関節と膝関節の発生を分析した。GDF5機能不全マウスでは、関節発生部に間葉細胞のアポトーシスが多くみられ、関節形成が障害された。GDF5は間葉細胞の軟骨への分化を促進するのみならず、間葉細胞が生存することを促進する働きがあると考えられる。膝関節発生では、関節発生部の間葉細胞のアポトーシスの後に、関節の低形成と十字靭帯の形成不全が生じた。GDF5は軟骨のみならず、関節内靱帯の誘導にも必須の遺伝子であると考えられる。したがって、関節発生にはGDF5が必須の遺伝子であるので、遺伝子治療に応用すべき遺伝子の候補の一つであると考える。 ヒトGDF5蛋白を用いて、マウス肋軟骨損傷の修復を試みたところ、損傷部に軟骨のみならず骨を誘導した。担体には、I型コラーゲンとII型コラーゲンを用いたが、両者に大きな違いはなかった。担体のコラーゲンによってGDF5が誘導する組織に違いがあったのではなく、血行が良いかどうかが、軟骨になるか骨になるかの分水嶺であると考えられる。したがって、ヒトGDF5蛋白質は血行の良い成人組織では、骨軟骨の両者を同時に誘導するが、血行の乏しいところには軟骨を誘導すると考えられる。 ニワトリ非荷重関節に骨軟骨欠損を作製して、骨軟骨の修復を観察した。非荷重関節であっても、軟骨の再生は困難であった。次に骨軟骨柱を採取して凍結保存後に培養軟骨細胞を播種して、軟骨の再生を試みた。GDF5を添加して軟骨再生を試みたが、関節軟骨の構造を保った軟骨組織の再生は困難であった。
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Research Products
(2 results)