2004 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内シグナル伝達強制発現の手法を用いた関節軟骨再生・修復に関する研究
Project/Area Number |
15591565
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
苅田 達郎 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (80359611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平岡 久忠 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (10262007)
田中 栄 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (50282661)
河野 博隆 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (20345218)
織田 弘美 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (60101698)
中村 耕三 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60126133)
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Keywords | 軟骨再生 / 滑膜線維芽細胞 / アデノウイルスベクター |
Research Abstract |
本年度は、昨年度の正常軟骨細胞に対する遺伝子導入の実験に引き続き、滑膜細胞に対しアデノウイルスベクターによる遺伝子導入を行い、軟骨分化誘導の可能性について検討した。実験には整形外科膝関節手術時に、患者本人の同意を得た上で採取したヒト滑膜線維芽細胞とウサギ滑膜細胞を用いた。使用した遺伝子はBMPのtype IAレセプターであるactivih receptor-like kinase3の恒常活性型変異体(ALK3^<cA>)である。遺伝子導入後、細胞をペレット培養したところ、コントロールウイルスと比較してALK3^<cA>ウイルスが滑膜繊維芽細胞において著明なSox9、II型コラーゲン、アグリカンの発現上昇を誘導することが明らかになった。また組織学的検討においても明らかなtoluidine blue染色陽性像、II型コラーゲン染色陽性像が認められた。これらをふまえて、うさぎ膝関節軟骨欠損モデルを使用して遺伝子導入したペレットをもちいて移植を試みた。その結果組織学検討においてサフラニン0染色像やII型コラーゲン染色陽性像がコントロール群と比較して早期に確認された。この結果はJournal of Clinical Investigation誌に発表し、同時に米国骨代謝学会等でも発表した。 アデノウイルスベクターにはベクターの免疫原性、遺伝子発現が一時的であるなどの欠点があり、それ自体を臨床応用することは困難であると考えられるが、ALK3経路を活性化するようなサイトカインの利用、あるいは低分子薬物を開発することの有用性が明らかになった。また、再生医療を開発する上で重要な細胞のソースとして、軟骨細胞だけでなく、滑膜細胞をも利用可能であることが示され、将来的な関節軟骨再生への道筋が示された。
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Research Products
(1 results)