2004 Fiscal Year Annual Research Report
慢性関節リウマチの多サイトカイン遺伝子治療法の開発
Project/Area Number |
15591570
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
杉山 英二 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (70179167)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸 裕幸 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (60186210)
村口 篤 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (20174287)
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Keywords | 関節リウマチ / 遺伝子療法 / インターロイキン-4 / アデノ随伴ウイルス / 破骨細胞 / RAW264.7細胞 / NFATc1 / c-Fos |
Research Abstract |
(目的)関節リウマチの骨破壊には関節局所における破骨細胞の役割が大きく、破骨細胞の分化、誘導を抑制する治療法が望まれている。本研究では(1)抗炎症性サイトカインの破骨細胞の分化、誘導抑制作用の機序を明らかにした上で、(2)抗炎症性サイトカインの遺伝子療法により、破骨細胞の分化を抑制しうるか否かを検討した。(方法と結果)IL-4の破骨細胞分化抑制作用の機序の検討:マウスRAW264.7細胞を破骨細胞誘導因子であるRANKLで培養すると破骨細胞に分化、誘導しうる。この系を用いてIL-4の作用を検討した。IL-4は10ng/ml以上の濃度で、濃度依存性に破骨細胞の分化を抑制した。そこで、RANKL下流の細胞内シグナル分子の発現を検討するとNFATc1およびc-Fos分子の発現が強力に抑制された。IL-4の遺伝子療治に関する検討:アデノ随伴ウイルス(AAV)にIL-4のcDNAを挿入した発現ベクター(IL-4-AAV)を作成し、ヒト末梢血単核細胞に感染させた。感染効率を検討すると、主に末梢血単球に高率に感染し、培養上清中に多量のIL-4(5-10ng/ml)が分泌された。末梢血単球を分離後、RANKLおよびM-CSF存在下で培養すると破骨細胞に分化誘導される。この系を用いてAAV-IL-4の効果を検討すると、この破骨細胞の誘導が強力に抑制された。(結語)IL-4の遺伝子療法により、破骨細胞の分化、誘導が強力に抑制されることが明らかとなった。関節リウマチの関節破壊に対する治療法としてIL-4を中心とする抗炎症性サイトカインの遺伝子療法が有望と考えられる。
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Research Products
(1 results)