2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15591573
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鬼頭 浩史 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (40291174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北小路 隆彦 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (10303637)
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Keywords | 骨組織再生 / 細胞培養 / 仮骨延長術 / 骨髄間葉系細胞 / 多血小板血漿 |
Research Abstract |
前年の動物実験の結果をふまえて、今年度は仮骨延長術の骨再生を目的とした臨床応用を開始した。骨髄細胞を培養下に骨芽細胞に分化、増殖させ、別途作製した多血小板血漿とともに、延長仮骨部位に移植し、骨形成を促進させることにより治療期間の短縮を図った。11例20肢に骨髄細胞および多血小板血漿の移植を併用した仮骨延長術を施行し、そのうち治療が終了した5例(軟骨無形成症3例、脚長差を有する症例2例)8肢(大腿骨5肢、下腿骨3肢)の成績を検討した。手術時に採取した骨髄液は遠心後、中間層の細胞をデキサメサゾン含有の培養液で約3週間培養して骨芽細胞への分化を促した。細胞移植の48時間以内に自己の多血小板血漿を精製し、そこに培養した骨髄細胞を混濁してトロンビン、カルシウムとともに局麻下に延長仮骨部に注入した。移植した培養骨髄細胞は、平均2.5×10^7個(1.4×10^7〜5.0×10^7個)で、すべてP3であった。アルカリフォスファターゼ活性はP1でピークを示したが、P3細胞でも保たれていた。一方、P1CPは継代するにつれて増加する傾向にあった。1回の移植につき、平均189ml(155〜200ml)の静脈血より平均8.1ml(4〜20ml)のPRPを精製した。静脈血清中の血小板濃度は平均2.51×10^5/ul、精製後のPRPにおける血小板濃度は平均17.4×10^5/u1であり、血小板濃度は約7倍に濃縮されていた。延長量は平均8.3cm、延長期間は平均77日、骨成熟待機期間は平均102日、Healing Indexは平均24.0日/cmであった。我々の施設で行った軟骨無形成症症例に対する骨髄細胞移植を併用しない従来の脚延長術との治療成績を比較したところ、Healing Indexは従来法の37.1日/cmに対し、骨髄細胞移植併用では21.3日/cmであり、本法の併用により治療期間は著しく短縮した。
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Research Products
(1 results)