2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15591583
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Research Institution | Kagawa University Faculty of Medicine |
Principal Investigator |
真柴 賛 国立大学法人香川大学, 医学部, 講師 (40335857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 諭史 国立大学法人香川大学, 医学部, 助教授 (00190992)
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Keywords | 骨リモデリング / ビスフォスフォネート / 石灰化度 / 骨単位 |
Research Abstract |
骨リモデリングが低下すると新しい、低石灰化度の骨単位が減少し、旧い高石灰化度の骨単位が理論上増加するため、平均骨石灰化度は増加する可能性がある。著者らは2つの独立したビーグル犬のビスフォスフォネート投与実験において肋骨皮質骨の骨石灰化度を定量化し、興味深い知見を得ている。実験1では1歳齢雌ビーグル犬28匹を3群に分けvehicle、risedronate(P&G社製,0.5mg/kg/day),alendronate(Merck社製,1mg/kg/day)を1年間連日経口投与した^<7)>。両ビスフォスフォネートは骨粗鬆症患者に対する用量の5倍の用量を用いた。実験2では1歳齢ビーグル犬29匹を3群に分け、それぞれvehicle,低用量(0.3mg/kg/day)あるいは高用量の(0.6mg/kg/day) incadronate disodium(YM-175,山之内製薬)を3年間連日経口投与した^<8)>。Incadronateは臨床使用予定量のそれぞれ2.5,5倍を用いた。両実験とも屠殺後、右側第9肋骨中央部を採取した。実験1の結果、ビスフォスフォネート投与により皮質骨内リモデリングは有意に抑制されていたにも関わらず、各群間で骨単位ごとの石灰化度分布、平均石灰化度は有意差がなかった。一方長期投与を行った実験2ではincadronateは用量依存的に皮質骨内リモデリングを抑制した結果、石灰化度を増加させ、低用量群、高用量群は対照群に比して石灰化度の高い骨単位が多く分布しており、平均石灰化度も有意に高値であった。以上の結果より、ビスフォスフォネートは強力に骨リモデリングを抑制することにより、個々の骨単位のlifespanを延長させ、骨の二次石灰化度を増加させると考えられるが、二次石灰化自体が非常に緩徐なプロセスであるため、その効果発現には長期間を要すると考えられる。これら2シリーズの実験において使用しているビスフォスフォネートの種類は異なるものの、投与による皮質骨石灰化度の増加には投与期間が大きく関連する可能性が示唆された。以上の結果を雑誌投稿した。
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Research Products
(3 results)