2004 Fiscal Year Annual Research Report
Adiposcienceの観点からのステロイド性骨壊死の病態解析と予防法開発
Project/Area Number |
15591587
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山本 卓明 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (20336035)
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Keywords | 骨壊死 / ステロイド / 予防法 / 大腿骨折 / 脂質代謝 / 凝固異常 / 脆弱性骨折 / 病理組織 |
Research Abstract |
1 動物モデルを用いたステロイド性骨壊死の予防に成功 ステロイド単独投与家兎骨壊死モデルを用い、抗凝固剤及び抗高脂血症剤を併用投与した群(WP群、n=21)、抗凝固剤のみを投与した群(WA群、n=21)、抗高脂血症剤のみを投与した群(PR群、n=29)、予防薬投与なしの群(NP群、n=20)を作成した。各群にメチルプレドニゾロン(MPSL :20mg/kg)を一回右臀筋内に注射した。 骨壊死発生率は、予防薬を投与していないNP群が70%(14/20羽)であったのに対し、WP群における骨壊死発生率は5%(1/21羽)と有意に骨壊死発生率が低下していた。予防薬を単剤のみ投与したWA群及びPR群の骨壊死発生率はそれぞれ33%(7/21羽)、37%(11/29)で、NP群に比べれば有意に低下していたが、WP群よりは高かった。 本動物モデルでの実験により、ステロイド投与による脂質代謝異常や凝固異常を制御することは、ステロイド性大腿骨頭壊死の発生予防の一助となる可能性が示唆された。本実験系における、具体的は骨壊死発生の抑制機序はまだ解明されていないが、凝固を抑制することに加え、抗高脂血症剤の薬理作用である抗酸化作用、高脂血症抑制、動脈硬化抑制などの関与が考えられる。今後は、具体的な骨壊死抑制機序の解明と合わせて、臨床現場への応用を行っていきたい。 2 骨壊死との鑑別疾患である大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折の概念の確立 大腿骨頭壊死症と鑑別を要する疾患の一つとして、大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折が重要である。我々は、本骨折の臨床病理学特徴を報告し、骨壊死との鑑別に有用な臨床および画像所見を提唱した。さらに、腎臓移植後にも本骨折が発生し、極めて骨壊死と同様の画像所見を呈することがあることも報告した。 本骨折の啓発による真の骨壊死患者の絞り込みを行い、鑑別がしっかりとなされた大腿骨頭壊死症の病因病態解析に役立てている。
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Research Products
(7 results)