2005 Fiscal Year Annual Research Report
関節リウマチの骨関節破壊機序・機械的ストレスが滑膜細胞に及ぼす影響
Project/Area Number |
15591588
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
首藤 敏秀 九州大学, 大学病院, 講師 (00304783)
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Keywords | 関節リウマチ / 滑膜 / 機械的ストレス / 関節破壊 / 骨びらん / 滑膜細胞 / ビスフォスフォネート / アレンドロネート |
Research Abstract |
関節リウマチ(RA)で炎症の主座となる滑膜は関節包を裏打ちするように存在しているが、関節の運動の方向により、滑膜は伸張されたり弛緩したりする。すなわち関節の運動に伴い滑膜は機械的ストレスに曝露される。滑膜細胞に機械的ストレス、特に生体内でかかっていると考えられる伸張ストレスを負荷する実験に、細胞に伸張ストレスを再現性よく加えることができるFlexercellシステムを用いた。RA滑膜組織から得られる細胞を継代して専用の6穴プレートにタイプIコラーゲンをコーティングした上で培養し、伸張ストレスをかけることにより、滑膜細胞の形態変化が観察され機械的ストレスに反応していることが確認された。機械的ストレスによって影響をうけると考えられる低分子量G蛋白質であるRho、Rac、Rasのprenylationを阻害するアミノビスフォスフォネートのひとつであるアレンドロネートは関節リウマチにおける骨びらんの形成を抑制した。またアレンドロネート使用例では下肢大関節(膝、股関節)における関節破壊進行が非使用例よりも抑制されている傾向にあった。関節滑膜における機械的(伸展)ストレスの関節破壊における役割を臨床的に明確にするために、骨びらんの形成部位と関節のストレスのかかる方向との関連を調査した。すなわち関節包にかかる伸展刺激としては第1指では尺側に、第2指においては橈側により強いストレッチ刺激が加わると考えられる。早期のRA患者における検討では、第1指では尺側に骨びらんの形成が多い傾向があり、第2指においては橈側により有意に骨びらんの形成が多いという結果が得られ、いずれも関節包を裏打ちしている滑膜に対し伸展刺激がより強く加わる部位に骨びらんが多く形成されていた。伸張ストレスを受けやすいと考えられるRA患者由来腱鞘滑膜組織より分離した滑膜細胞を用いても破骨細胞様細胞が形成された。
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Research Products
(7 results)