2005 Fiscal Year Annual Research Report
骨肉腫の肺転移巣に対するElectrochemotherapy
Project/Area Number |
15591594
|
Research Institution | Osaka city university |
Principal Investigator |
中村 博亮 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (60227931)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五谷 寛之 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (30305627)
辻尾 唯雄 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (70381994)
高岡 邦夫 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30112048)
|
Keywords | 骨肉腫 / electrochemotherapy / electroporation / 癌治療 / methotrexate / drug delivery system / 肺転移 / Dunn骨肉腫細胞 |
Research Abstract |
はじめにマウス骨肉腫細胞を用いたIn vivo実験で、双極電極で行ったElectrochemotherapy (ECT)の効果を調べた。C3Hマウスの背部皮下にDunn骨肉腫細胞を移植し、2週後一定の大きさ(5〜8mm)になった腫瘍に対し、Methotrexate (MTX) 10mg/kgを腹腔内投与し、30分後電極を用い、Electroporation (EP)を施行した。コントロール群、MTXのみ群、EPのみ群、ECT群の4群に分け、経時的に腫瘍体積増加率を評価した。結果は1度のECT実施で40%の腫瘍縮小を得た。さらに効果を上げるため腫瘍に対して1度に4方向及び6方向からのECT、そして間隔をあけ複数回のECTを行った結果、腫瘍径が5mm以下のときは腫瘍の完全消失を見るがそれ以上の大きさでは腫瘍を根絶させるに至らないケースがあることがわかった。そのため我々は1度に複数方向からECTが可能な多針型電極(9針)を開発した。この電極を用いさらに皮膚上からでなく腫瘍に直接刺入し心電図用ゲルを腫瘍辺縁に塗った後、同手技を行った。電圧50Vで腫瘍径が5mm以上に関わらず腫瘍消失に至る効果を認めたが、部分的な熱傷も認めた。次に電圧25Vに下げ、通電回数60回の条件で手技を行った。結果は腫瘍消失の効果はかわらず認め、さらに熱傷も生じなかった。よって次の段階としてECTの神経血管束への侵襲を調べた。In vivoでマウス大腿動静脈神経にDunn骨肉腫が浸潤したモデルを作成し同条件でECTを実施した。結果は、腫瘍細胞は壊死するが神経血管への影響は少なく循環障害、運動麻痺は生じなかった。これまでで原発巣への同methodの手技はマウス動物実験レベルで確立したので今後の予定としてラビット肺転移モデルを作成し、同methodを行ないその有用性を検証していく。
|
Research Products
(3 results)