2004 Fiscal Year Annual Research Report
末梢神経端側吻合における神経再生機序とバイパスグラフトによる臨床応用への展望
Project/Area Number |
15591600
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
中村 俊康 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70265859)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲尾 保志 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (30188883)
栩木 弘和 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (80306745)
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Keywords | 末梢神経 / 端側吻合 / バイパスグラフト / 軸索再生 / 筋電図 / 神経移植 / 神経完全損傷 / 神経不全損傷 |
Research Abstract |
本研究は有連続性神経損傷の治療に際し、神経バイパスグラフト法の有用性・有効性を実験的に検討することを目的とした。 昨年度はラット坐骨神経を6-0ナイロン糸で結紮した神経不全損傷モデル(神経断端は完全には途絶していない)と坐骨神経を完全に切断後、盲端にシリコンチューブを挿入し神経断端を完全に途絶させる神経完全損傷モデルを作製し、同一個体から採取した正中神経を用いてそれぞれをバイパス架橋した神経の再生過程を電気生理学および組織学的に検討し、神経不全損傷モデル、神経完全損傷モデルの両方で、電気生理学的には6週以降にM波の導出することが可能であり、再生有髄神経軸索数は神経バイパス架橋後12週で神経不全モデルではバイパス部で約70%、架橋部より遠位の頚骨神経では約80%の再生軸索を確認できた。また、神経完全損傷モデルではそれぞれバイパス部で約50%、架橋部より遠位の頚骨神経で約60%の再生軸索が確認できた。同時に作製した神経断端を自家移植する神経移植モデルには再生軸索数は及ばなかった。 今年度は神経不全損傷および神経完全損傷両モデルに対し、Neurofilament染色および軸索トレーサーであるBDAを用いた軸索トレース実験、バイパスを介さずに再生軸索が生じているのではないかという疑問を解決するために坐骨神経のさらに遠位の検討を行った。 神経不全損傷モデル、神経完全損傷モデルの両方でNeurofilament染色、BDAを用いた軸索トレース実験でともにバイパスを経由しての再生軸索が確認された。 今回の成果から神経バイパスグラフト法は神経移植術には及ばないものの、神経augumentationの一方法として十分な電気生理学的、組織学的な再生が得られ、これは神経バイパス部を介して達成されていることがわかった。特に有連続性神経損傷の場合には切除-神経移植に比較し、神経バイパスグラフトが十分なアドバンテージを持ち、実際の臨床応用可能であることを意味する
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