2005 Fiscal Year Annual Research Report
脊柱変形に関連する遺伝的要因ならびに後天的要因の解明
Project/Area Number |
15591609
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Research Institution | UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH, JAPAN |
Principal Investigator |
成澤 研一郎 産業医科大学, 医学部, 講師 (20269062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 利孝 産業医科大学, 医学部, 教授 (50082235)
清水 建詞 産業医科大学, 医学部, 助手 (60299617)
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Keywords | 脊柱変形 / 椎体骨棘 / 椎間板腔狭小化 / 椎体終板硬化 / LRP5 / GGCX / 骨密度 / 遺伝子解析 |
Research Abstract |
本研究の目的は、脊柱変形に関連する遺伝的要因および後天的要因の候補をあげ、それら候補要因が脊柱変形にどの程度影響を及ぼすかをcross-sectional studyで明らかにすることである。 対象) 平成17年3月までに骨粗鬆症または脊椎変性疾患の診療目的で当病院ならびに成人病診療研究所を受診した60歳以上の女性250人が本研究に参加した。 方法) 脊柱変形因子の指として胸腰椎のX-Pを撮像し、椎体骨棘形成、椎間板狭小、椎体終板硬化の程度を評価した。これらの脊柱変形因子と身体的要因および遺伝的要因の関連を調べた。 結果) (1)脊柱変形と年齢の関連:椎体骨棘形成、椎間板狭小、椎体終板硬化などの脊柱変形の各要因はそれぞれ年齢と正の相関を認めた。 (2)脊柱変形と体型の関連:体重と椎体骨棘形成は正の相関を認めたが、椎間板狭小および終板硬化との関連は弱かった。 (3)脊柱変形と骨密度の関連:腰椎骨密度は椎体骨棘形成と正の相関を認めたが、椎体終板硬化や椎間板狭小とは相関を認めなかった。 (4)脊柱変形と遺伝的要因の関連:脂質代謝に関連するしlow-density lipoprotein receptor-related protein5(LRP5)の遺伝子多型は脊椎の椎間板狭小や椎体終板硬化には関連しなかったが、骨棘形成に関連していることが明らかになった。一方、骨形成蛋白の代謝に関連するvitamin K-dependent γ-glutamyl carboxylase(GGCX)の遺伝子多型は脊椎の骨棘形成や椎間板狭小との関連は認めなかったが、終板硬化に関連してることが明らかになった。 今回の研究で、脊柱変形には種々の遺伝的要因および後天的要因が関与することが明らかとなった。
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