2004 Fiscal Year Annual Research Report
肺高血圧における包括的トランスクリプトーム解析による病態分子機構の解明
Project/Area Number |
15591624
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
天野 誉 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (90231993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 一男 三重大学, 医学部, 教授 (20181828)
田中 利男 三重大学, 医学部, 教授 (00135443)
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Keywords | 肺高血圧症 / 低酸素 / cDNAマイクロアレイ |
Research Abstract |
肺高血圧症は種々の原因により引き起こされるが、病因に関わらず共通の血管病変として、本来血管平滑筋を持たない末梢肺動脈での血管平滑筋の出現、血管平滑筋を持つ小筋性動脈での平滑筋細胞の肥大や過形成による中膜肥厚、細胞外間質蛋白の増加、が認められる。このような血管の形質変化の機構を解明するために、細胞内で発現する転写産物すなわちmRNAの総体(トランスクリプトーム)の発現変化についての網羅的な解析は有効な手段であると考えられる。我々はこれまで肺高血圧症の動物モデルである低酸素暴露ラットを用いて、肺における遺伝子発現プロファイルを、Fluorescent Differential Display法や、200種類の遺伝子をのせた自作DNAマイクロアレイ法を用い解析してきた。DNAマイクロアレイ法は、条件の異なる2つのサンプルからmRNAを抽出し、各々波長の異なる蛍光色素で標識して同一チップ上で競合的ハイブリダイゼーションを行うことによりサンプル間での遺伝子発現の違いを相対的に比較できるものである。今回約20000種類のラット遺伝子を搭載したAgilent社製のDNAオリゴマイクロアレイを用いて、低酸素暴露後1、3、7日目の肺における遺伝子発現量変化の検討を行った。その結果、381個で発現量の上昇、1277個で低下が認められた。それぞれの分子について、発現変化のパターンによりいくつかのパターンに分類し、病態形成との関連について検討した。
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Research Products
(1 results)