2004 Fiscal Year Annual Research Report
受容体チャンネル調節酵素のモデル酵素における麻酔薬・タンパク相互作用の解明
Project/Area Number |
15591625
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
瀬戸 倫義 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (10335177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 吉弘 立命館大学, 理工学部, 教授 (70066702)
犬伏 俊郎 滋賀医科大学, 分子神経科学研究センター, 教授 (20213142)
野坂 修一 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (80237833)
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Keywords | 麻酔メカニズム / タンパク・麻酔薬相互作用 / docking simulation / albumin / xenon / non-immobilizer |
Research Abstract |
昨年度のモデルタンパク質の再検討によりアルブミンが採用され、プロポフォール結合部位のシミュレーションによる予想が成功した。この成果から、アルブミンのプロポフォール結合部位を利用し、ヒトアルブミン(HSA)のPropofol結合部位へ希ガス類の結合探索を行い、結合部位がいかに希ガス麻酔薬と希ガスnonimmobilizerを分子認識するかを解明し、麻酔薬とnonimmobilizerの相互作用の差異を明らかにした。 本年度の成果は、Xe, Kr, Arはプロポフォールのイソプロピル基に相当する位置に結合し、Ne, Heは別の部位に結合することがわかった。 1.Propofolのイソプロピル基結合部位にO族原子は結合した。 2.Xeの結合にはPhe507,Phe551が関与した 3.Ne, Heは新たな別の部位に結合した。 4.Ne, Heの第二サイト(2番目に安定なサイト)がXe, Kr, Arの位置となった。 5.結合サイトはHe, Ne, Ar, Kr, Xeの順でプロポフォール側鎖結合部位に近づいた。 6.麻酔薬はnonimmobilizerよりタンパク質との結合エネルギーが大きく、その内訳は水和エネルギーとファンデルワールスエネルギーが大きいことによる。 7.麻酔薬の結合には水和のエネルギーが大きく関与していることが判明し、麻酔薬の溶解度が結合エネルギーに関与することが示唆された。 8.He, Neはファンデルワールスエネルギー、溶媒和のエネルギーがXeらに比較して小さいために麻酔薬とnonimmobilizerは異なる部位に結合すると考えた。 9.Xe, Kr, ArとNe, Heは結合エネルギーが異なり、この結果はNe, Heが異なる薬理作用を示すことが示唆し、Koblin DD, Eager IIらの実験を支持する結果となった。 今後の発展:神経受容体において、麻酔薬の結合部位と結合相互作用を明らかにしてゆく。
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Research Products
(4 results)