2003 Fiscal Year Annual Research Report
気道平滑筋の収縮制御機構の解明:生理・薬理学的因子と細胞内情報伝達系
Project/Area Number |
15591638
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
柴田 治 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教授 (80136671)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 昌一 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (80363498)
槇田 徹次 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (00229337)
|
Keywords | 抗コリンエステラーゼ / Rhoキナーゼ阻害薬 / Y-27632 / 気道平滑筋 / ラット |
Research Abstract |
目的 平滑筋の収縮は細胞質内のCa^<2+>濃度とCa^<2+>感受性の変化によって調節されている。筋線維のCa^<2+>感受性の亢進は、GTP結合型のRhoによってRhoキナーゼが活性化することよって起こる。ネオスチグミン(Neo)やピリドスチグミン(Pyr)はラット気管平滑筋のムスカリンM_3受容体に直接作用して、イノシトールリン脂質代謝を亢進させ、気管平滑筋を収縮させることを報告した。しかし、抗コリンエステラーゼ(anti-ChE)薬のCa^<2+>感受性に対する作用についての報告はない。Ca^<2+>感受性の亢進はRhoキナーゼを介していることから、anti-ChE薬による気道平滑筋収縮に対するRhoキナーゼ阻害薬Y-27632の影響について検討した。 方法 雄性ウイスターラット(250-350g)20匹を対象とした。気管を幅3mmのリングに切断し、酸素95%二酸化炭素5%で通気したKrebs-Henseleit液中で1.09の静止張力を与えたのち、1μM Neo、10μM Pyrまたは10μMアセチルコリン(ACh)を投与し、30分後にY-27632を投与して張力を測定した。結果はANOVAを用いP<0.05を有意のある差とした。 結果 Neo、PyrおよびAChによる張力はそれぞれ1.64±0.19g、1.35±0.24gおよび1.38±0.15gであった。NeoやPyrによる収縮は30μMのY-27632でほぼ完全に抑制されたのに対してAChによる収縮は100μMのY-27632で56%の抑制であった。 結論 NeoやPyrによる気道平滑筋の収縮には、一部はCa^<2+>感受性の亢進が関与していることが示唆される。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Saito M: "Metoclopramide causes airway smooth muscle relaxation through inhibition of muscarinic M_3 receptor in the rat"Anesth Analg. (in press). (2004)
-
[Publications] Shibata O: "Interactions of edrophonium with neostigmine in the rat trachea"Anesth Analg. 97・4. 1059-1063 (2003)
-
[Publications] Shibata O: "Droperidol attenuates contratile and phosphatidyl-inositol responses of rat trachea"Pharmacology. 68・1. 24-28 (2003)