2004 Fiscal Year Annual Research Report
アデノシンおよびPKCによる神経系ATP感受性Kチャネルの機能調節とその意義
Project/Area Number |
15591651
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
安藤 富男 横浜市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (00193110)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
越後 憲之 横浜市立大学, 医学部, 助手 (00363797)
|
Keywords | ATP感受性Kチャネル / ニューロン / 黒質 / アデノシン / 虚血再潅流 / ミトコンドリア |
Research Abstract |
アデノシン受容体刺激NMDA受容体刺激、短時間の虚血負荷によって、ニューロンの細胞膜膜ATP感受性K(KATP)チャネルの機能がどのように変化するかを検討した.また、神経細胞のミトコンドリアKATPチャネルの機能評価法を確立すべく実験を行った。 1.細胞膜ATP感受性Kチャネルについて ピペット内液にATP1mMを添加し、潅流液glucose濃度を25mMにした条件において、測定開始から約15分間は黒質緻密層ドパミンニューロンの膜電流、膜コンダクタンスに大きな変化はなかった。A1アデノシン受容体作動薬であるR-PIAを前投与すると、ゆっくりと外向き電流が生じ、膜コンダクタンスが増加した。これらの変化はKATP阻害薬であるtolbutamideによって強く拮抗され、A1アデノシン受容体拮抗薬の前処置によって消失した。R-PIA前投与の効果は、ピペット内液のATP濃度4mMの条件では生じなかった。したがって、A1アデノシン受容体刺激はATP感受性を変化させることによって同ニューロンKATPチャネルを活性化させると考えられた。内因性のアゴニストであるアデノシンの効果も検討した。また、NMDA受容体刺激、短時間の虚血負荷をあらかじめ加えた後に、同様の測定を行い、これらによる同チャネルの機能変化を検討した。 2.ミトコンドリア膜ATP感受性Kチャネルについて 大脳皮質一次培養ニューロンとPC12細胞を用いて、flavoproteinに由来する自家蛍光の測定を行ったが、薬剤によってミトコンドリア酸化還元状態を変化させても変化が見られなかった。活性酸素の増減を蛍光プローブを用いてモニターし、ミトコンドリアKATPチャネルの開口を間接的に評価する方法を検討している。
|
Research Products
(1 results)