2003 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄虚血に対する保護物質としてのデルタオピオイドの基礎的研究
Project/Area Number |
15591657
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
坂本 尚典 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (40275334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古家 仁 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (70183598)
井上 聡己 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (50295789)
川口 昌彦 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (60275328)
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Keywords | 脊髄虚血 / オピオイド |
Research Abstract |
ラット背髄虚血モデルの導入に成功した 対象はSDラット(350-400g),オス. 前日夕より絶食とした対象をイソフルラン麻酔下で気管挿管して調節呼吸し,正常二酸化炭素分圧を維持した.尾動脈にPE50,左内頸動脈にPE60カテーテルを留置した.左大腿動脈から2Frフォガティカテーテルを挿入した.ヘパリン200単位投与して,バルーンの膨張と内頸動脈の脱血により,尾動脈圧10mmHg以下となる虚血とした. 実験計画では9分の虚血を予定しているが,予備的に6,8,10分の虚血時間も設定して,時間に応じた虚血が得られるかどうかを検討した. 運動機能評価は21点法のBBI locomotion test (J Neurotrauma 1996;13:343)にしたがって判定した. 組織学的評価としてHE染色を実施した.サイオペンタール腹腔内投与後,ヘパリン加生理食塩水で脱血したのち,緩衝化ホルマリンを経心臓的に還流して,標本の第4腰髄を取り出し冷蔵保存した.パラフィンで固定して切片を作成した.光学顕微鏡で,染色後の切片上の正常ニューロンを計測した. 結果は,虚血時間の延長に応じて,統計学的有意に下肢の運動機能は悪化した(p<0.05).また,計測した正常ニューロン数も,虚血時間に応じて減少した. 以上より,精確なラット脊髄虚血モデルを作成しえることを確認しえた. 来年度以降,引き続き計画どうりに,δオピオイドアゴニストであるSNC80を投与し,以上で作成した,脊髄虚血に対して保護的に作用しうるかいなか検討する.
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Research Products
(1 results)