2004 Fiscal Year Annual Research Report
進行腎癌テーラーメイド治療のためインターフェロン感受性関連遺伝子の網羅的解析
Project/Area Number |
15591669
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
島居 徹 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (80235613)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 和彦 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (90211078)
吉川 和宏 愛知医科大学, 病理第2, 講師 (60109759)
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Keywords | マイクロアレイ / インターフェロンα / 腎細胞癌 / 網羅的発現解析 |
Research Abstract |
方法:まずWST-1アッセイにてSKRC腎癌株よりインターフェロンα(IFN)感受性株としてSKRC-17、-59、耐性株として-12、-33を選別した。次にIFN1,000U/ml投与0時、3時、6時、12時、24時にtotal RNAを抽出し、CodeLink社ヒト20Kマイクロアレイにより遺伝子発現解析を行った。解析は(1)既知のIFNシグナル伝達分子の発現をRT-PCRとwesternブロットにて検討(2)0時の静的遺伝子発現について2群間で3倍以上の差を有意としてclustering解析を行い2群を識別しうる遺伝子セットを抽出(3)動的変化として、0時を対照に3時で2倍以上の発現変化のみられた遺伝子群を抽出し、機能別clustering解析を行った。 結果:(1)既知のIFNシグナル伝達分子の発現に差を認めず、IFN投与後はリン酸化による伝達が確認された。(2)0時の遺伝子発現:発現亢進は感受性群で26遺伝子、耐性群で18遺伝子に認めた。(3)IFN投与後は35遺伝子の発現が共通に変化し、IFN induced protein群および細胞周期関連遺伝子が目立ち、apoptosis関連、癌関連遺伝子は少なかった。感受性群あるいは耐性群特異的に発現が増加するものは、細胞周期関連遺伝子は各々0あるいは2遺伝子、apoptosis関連遺伝子が0あるいは4遺伝子、癌関連遺伝子が1あるいは2遺伝子、シグナル伝達関連遺伝子が1あるいは4遺伝子であった。 考察:遺伝子発現解析によりIFN感受性の有無を識別できる可能性が示唆された。IFN投与後の遺伝子発現解析により、IFN感受性と癌関連遺伝子の関与は限られていること、IFNはapoptosis誘導よりも増殖抑制に働いている可能性が示唆された。今後、個々の遺伝子発現をRNA、蛋白レベルで確認し、感受性あるいは耐性獲得に関連する遺伝子を検討予定である。
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Research Products
(6 results)