2005 Fiscal Year Annual Research Report
進行腎癌テーラーメイド治療のためインターフェロン感受性関連遺伝子の網羅的解析
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15591669
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
島居 徹 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (80235613)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 和彦 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (90211078)
吉川 和宏 愛知医科大学, 第2病理(医学部), 講師 (60109759)
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Keywords | 腎細胞癌 / インターフェロン / マイクロアレイ / 分子標的 / 薬剤感受性 / 網羅的解析 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
方法:(1)インターフェロンα(IFN)感受性腎癌株2株と抵抗性腎癌2株におけるIFN負荷後の経時的な網羅的遺伝子発現解析及びcluster解析によりIFN感受性を制御に関わる候補遺伝子を識別した。(2)それらの遺伝子の発現を定量PCR法にて腎癌細胞株8株において測定し、重回帰分析によりIFN感受性(増殖抑制率)に相関する遺伝子をさらに選別し、感受性の予測法を検討した。(3)その予測法の妥当性を腎癌摘出標本の初代培養細胞において検討するため、3サンプルのIFN感受性を測定し、遺伝子発現量を定量PCRで計測した。 結果:(1)経時的な網羅的遺伝子発現解析により7遺伝子がIFN感受性を制御している可能性のある候補として選別された(TNNT1、MLF1、MLLT3、ADFP、MTUS1、PME-1、MITF)。(2)これらの遺伝子の発現を定量PCR法にて腎癌細胞株8株において測定し、IFM感受性(増殖抑制率)との相関性を重回帰分析により検討したところ、ADFP、MITF、MTUS1、TNNT1の4遺伝子の発現量によりIFN感受性の予測が可能と考えられた。(3)その妥当性は、腎癌摘出標本初代培養細胞3株の検討では、IFN感受性と遺伝子発現が相関した。 考察:腎癌細胞株の遺伝子発現解析により、腎癌におけるIFN感受性が上記4遺伝子の発現量から予測できる可能性が示唆された。その妥当性は摘出腎癌からの初代培養細胞において確認されたが、今後、摘出標本の遺伝子発現量の測定により、腎癌患者におけるIFN感受性が予測可能かを検討する必要がある。また、これらの遺伝子の腎癌細胞における機能は明らかでないが、IFN感受性制御という治療的側面において標的分子となる可能性がある。
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Research Products
(7 results)