2004 Fiscal Year Annual Research Report
腎癌進展におけるEBAG9/RCAS1遺伝子の役割
Project/Area Number |
15591671
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 信也 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (50345196)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦野 友彦 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (20334386)
高橋 悟 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (50197141)
井上 聡 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (40251251)
北村 唯一 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (70010551)
武内 巧 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (90167487)
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Keywords | 腎細胞癌 / immune escape / 免疫組織化学 / マウス腫瘍モデル / 生命予後 / 腫瘍マーカー |
Research Abstract |
【目的】エストロゲン受容体がゲノムDNA上のエストロゲン応答配列に結合することにより転写活性化がおこるエストロゲン標的遺伝子としてEBAG9は1998年にヒト乳癌細胞株MCF-7より同定された。EBAG9は、後に免疫監視からのエスケープ機構に関与し癌細胞の表面に発現しているRCAS1と同一のものであることがわかった。今回、マウス腎癌細胞株Rencaを用いてin vivoにおいて同遺伝子が細胞増殖に及ぼす作用の検討を行った。また、ヒト腎癌組織におけるEBAG9/RCAS1の発現を特異抗体を用いて免疫組織化学法により検討し、予後予測因子としての検討を行った。 【方法】マウス腎癌細胞株RencaにEBAG9/RCAS1を強制発現させた後、マウス背部に皮下注し腫瘍の増殖について検討し、また、それらのマウスの生命予後について解析した。 1990年より1995年までに根治的腎摘除術を実施した腎細胞癌78例、および肺転移に対し切除術を施行した腎癌肺転移9例を対象としてEBAG9/RCAS1の発現と臨床的病理的なパラメーターおよび予後との相関を統計的に解析した。 【結果】腎癌78例中65例(87.2%)にEBAG9/RCAS1の強い発現を認めた。腎癌におけるEBAG9/RCAS1の発現はGrade、Stage、リンパ節転移、静脈浸襲と有意に相関した。EBAG9/RCAS1の発現は癌特異生存率の低下と有意に相関した。一方、EBAG9/RCAS1安定発現マウス腎癌細胞株Renca-BAG9の容積は対照コントロール腫瘍に比べ有意に増大し予後不良であった。 【結論】EBAG9/RCAS1は腎癌の有用な予後悪化因子であり、腫瘍が増殖・進展する機構において何らかの役割を有していることが示唆された。
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Research Products
(2 results)