2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15591672
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
武藤 智 帝京大学, 医学部, 講師 (30345194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀江 重郎 帝京大学, 医学部, 教授 (40190243)
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Keywords | 膀胱癌 / 炎症 / TNF / 肥満細胞 |
Research Abstract |
TNF-αは主にマクロファージから産生されるが、肥満細胞からも分泌される代表的な炎症性サイトカインの一つである。その生理活性には食細胞やT細胞、B細胞の活性化といった免疫系への関与のみならず、抗腫瘍活性も古くから知られている。しかし、実際のヒト疾患においては、特に炎症疾患以外ではTNF-αの役割に対するわれわれの理解は不充分である。例えば悪性腫瘍に関しては、内因性のTNF-αが発癌に対してどのような役割を担うかcontroversialである。膀胱癌患者では血清中のTNF-α値が健常人と比べて有意に高く、TNF-α promoter領域のpolymorphismとの関連が示唆されていることから、膀胱移行上皮が癌化する過程における、TNF-αの何らかの寄与が推察されている。 われわれはTNF-α欠損マウス、およびそのlittermateである野生型に対してBBN (N-Butyl-n-butanol-nitrosamine)を用いた膀胱化学発がん実験を行った。全て6週齢のマウスを実験に使用した。BBNをTween80にて溶解し、水道水で調製した0.05%BBN含有水をマウスに10週間経口自由摂取させた。BBN投与終了3-24週まで3週おきに尿路を摘出し、膀胱重量、腫瘍個数を測定した。雄ではヘテロマウスの64.3%に対して野生型では100%に膀胱癌を認めた。雌ではヘテロ31.6%に対して野生型60.0%に膀胱癌を認めた。 内因性TNF-αの欠損によりBBNによる膀胱発癌が抑制されたことは、膀胱癌の治療のひとつとして抗TNF-α療法の可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)