2004 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺の進行に対するサイクロオキシゲナーゼ-2とリポキシゲナーゼの影響
Project/Area Number |
15591676
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
溝上 敦 金沢大学, 医学部附属病院, 助手 (50248580)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
並木 幹夫 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (70155985)
越田 潔 金沢大学, 医学系研究科, 助教授 (70186667)
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Keywords | 前立腺 / サイクロオキシナーゼ2 / リポキシゲナーゼ |
Research Abstract |
様々な長さのVEGF promoterをルシフェラーゼ遺伝の上流にligationし、これらをLNCaP-にtransfectし、COX-2による代謝産物である1μg/ml PGE2を添加し、VEGF promoter活性を調べた。PGE2により明かな誘導活性は認められなかった。 次にLNCaP-neoとCOX-2過剰発現細胞株LNCaP-COX-2にPSA promoterにルシフェラーゼ遺伝子をつないだベクターをtransfectし、10^<-8>M DHTを添加してPSA promoter活性を測定すると、COX-2強制発現細胞株でDHTに対する応答性が低下した。このことからCOX-2が過剰発現すると、前立腺癌のアンドロゲンに対する応答性を低下させ、androgen非依存性になりうることが示唆された。 また脂肪酸代謝に関与するアラキドン酸を前立腺癌細胞に添加すると、明らかに増殖が促進された。アラキドン酸からのどの代謝産物が増殖に関与しているかを調べるために、COX阻害剤やLOX阻害剤を添加して増殖抑制効果を調べたところ、これらの阻害剤はアラキドン酸の有無に関わりなく増殖を抑制したことから、アラキドン酸は増殖因子としてではなく単に細胞増殖に必要な栄養素として働いている可能性が示唆された。 COX-2強制発現株の各種抗癌剤に対する感受性の変化を調べたところ、強制発現株ではシスプラチンに対する薬剤感受性が低下していた。この機序にはMRP2の発現亢進が関与しており、COX-2阻害剤を併用することによりシスプラチンに対する薬剤感受性が回復することが示唆された。
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