2004 Fiscal Year Annual Research Report
特発性男性不妊症患者に対するY染色体パリンドローム複合体の分析と多型性検索
Project/Area Number |
15591677
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
高 栄哲 金沢大学, 医学系研究科, 助教授 (90283134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 周一 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (60185923)
並木 幹夫 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (70155985)
溝上 敦 金沢大学, 医学部附属病院, 講師 (50248580)
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Keywords | Y染色体 / 男性不妊症 / AZF / パリンドローム / ゲノム / STS / real-time PCR / 精子形成障害 |
Research Abstract |
Y染色体のゲノム塩基配列が公開されると、相同性の高い反復配列とパリンドローム構造であることが明らかとなった。Y染色体上の大きなパリンドローム構造は8種あり、精子形成候補領域のひとつであるAZFcにはふたつのパリンドローム複合体が存在している。我々は、パリンドローム単位で欠失が生じているという仮定のもとに、無・高度乏精子症患者ゲノムDNAを用いて、AZFcパリンドローム複合体の有無について検討した。まず、現在多用されている多コピー遺伝子や反復・繰返し配列の多いAZFc内部の欠失を確認することは従来のSTS-PCR法では理論的に不可能である。したがって、ゲノム塩基配列から、それぞれのプローブに対応するコピー数をreal-time quantitative PCR(RTQ PCR)によって確認し、特発性男性不妊症との関係について検討した。まず、定量化するために内部標準DNAを鋳型にして標準曲線を作成した。この鋳型は常染色体上の単一遺伝子であるRNAase P遺伝子を使用し、各サンプルのゲノムDNA量のばらつきを補正した。各患者サンプルの鋳型DNA量を10ngとし、RTQ-PCRを40サイクル行った。RQ-PCRより算出できるコピー数比から、パリンドローム内部における微小欠失を検出することが可能となった。特に、パリンドローム部分欠失の検出は理論上無理とされていたが、ゲノムデータベースを基礎に男性不妊症でその部分欠失の存在を証明した。AZFc領域にあるP1+P2欠失のみならず、P1部分欠失の方法を確立した。今回使用したRTQ-PCR法において、従来のSTS-PCR法では欠失を認められない症例にも、AZFc領域内部に微小欠失が存在していることが明らかとなった。従来考えられていたよりも多くの特発性男性不妊症患者にAZFc領域の微小欠失が存在している可能性が考えられた。
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Research Products
(2 results)