2004 Fiscal Year Annual Research Report
DNAマイクロアレイを用いた進行前立腺癌のホルモン化学療法の効果予測
Project/Area Number |
15591679
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
高橋 義人 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (20226905)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出口 隆 岐阜大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40163935)
江原 英俊 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (20252132)
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Keywords | 前立腺癌 / ホルモン耐性 / 化学療法 / 5-FU / RT-PCR / TS / DPD |
Research Abstract |
当教室での臨床症例の検討から5-FUの前立腺癌に対する抗腫瘍効果が一部の症例で期待できることがわかった。過去の他の研究報告から、消化器癌・肺癌・乳癌等で5-FUの有効性と、その関連酵素であるthymidylate synthase (TS)およびdihydropyrimidine dehydrogenase (DPD)発現との間に有意な関連があることが報告されている。そこで今回われわれは、TSおよびDPDについてのリアルタイム定量的RT-PCR用のプライマーを各1組ずつ作製した。さらに、Hybridaization probe法用の1組のプローベをそれぞれ作製し、前立腺癌細胞株を用いて、条件設定を行った。 臨床検体でのDPD mRNAおよびTSmRNAの測定を実施した。良性前立腺肥大症と癌の比較では、発現量は統計学的上、両群間に有意差を認めなかった。前立腺癌80例での悪性度、臨床病期との比較では低分化型腺癌が高・中分化型腺癌と比較して発現量が多く、また進行癌が限局癌よりも発現量が多かったが、統計学的な有意差は認めなかった。発現量の多寡による再発率・癌特異的生存率に有意差は認めなかった。また、ごく一部の症例で、その後5-FU製剤を投与していたが、その成績とTSおよびDPD発現量との間には特別な関連は見いだせなかった。 以上より、今回の研究では、5-FUの有効性とTSおよびDPDの発現量との間に有意な関連は見いだせなかった。
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