2003 Fiscal Year Annual Research Report
新規尿路上皮癌診断マーカー尿中カルレティキュリンの臨床的有用性に関する研究
Project/Area Number |
15591681
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
若林 賢彦 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (80191724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上仁 数義 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (90324590)
金 哲將 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (10204968)
吉貴 達寛 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (80230704)
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Keywords | 尿路上皮癌 / 腫瘍マーカー / カルレティキュリン / プロテオミクス |
Research Abstract |
平成15年度では申請計画に沿って多数の臨床検体(患者自然排泄尿)による尿中カルレティキュリン(CRT)の尿路上皮癌診断能の検討を行った。試料は未治療膀胱癌患者尿70検体、非尿路上皮癌患者尿181検体(前立腺癌51、腎細胞癌4、乳癌10、前立腺肥大症96、尿路感染症8、尿路結石症6、特発性顕微鏡的血尿6)とし、検出は抗CRT C末端ポリクローナル抗体によるウェスタンブロット法で行い、結果は定性的に評価した。尿中CRT陽性率は膀胱癌患者で73%(51/70)、非尿路上皮癌患者で18%(32/181)であった。膀胱癌群では異型度、深達度、腫瘍数、腫瘍径といった病理学的諸因子が進むに従い陽性率が高くなる傾向があった。特筆すべきは尿細胞診陰性例においても70%(28/40)もの高い陽性率を示した点である。一方、対照群では尿路感染症のみに高い偽陽性率を認めた(88%、7/8)が、一般に尿中診断マーカー適応の際に尿路感染症は除外されるため、対照群からこれを除くと尿中CRTの特異性は86%(148/173)となった。以上の感度、特異性は既に臨床応用されている数種の既存マーカー群と比べて同等以上の診断成績であった。また、一連の結果はプロテオーム解析によるバイオマーカーの探索例として価値あるものと思われた。上記の成果はClinical Chemistry誌に掲載予定である。 現在、2抗体サンドイッチELISAによる定量的診断キットを構築する目的で、測定の標準物質となるGST融合ヒトCRTタンパク質を作製中である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Kageyama S, Isono T, Iwaki H, Wakabayashi Y, Okada Y, et al.: "Identification by proteomic analysis of calreticulin as a marker for bladder cancer and evaluation of the diagnostic accuracy of its detection in urine"Clinical Chemistry. In press.