2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規尿路上皮癌診断マーカー尿中カルレティキュリンの臨床的有用性に関する研究
Project/Area Number |
15591681
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
若林 賢彦 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (80191724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉貴 達寛 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (80230704)
金 哲將 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (10204968)
上仁 数義 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (90324590)
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Keywords | 尿路上皮癌 / 腫瘍マーカー / プロテオミクス |
Research Abstract |
膀胱癌組織22検体、正常上皮10検体を対象として、抗CRT抗体によるウエスタンブロット(WB)を行った。定量化のため、標準物質にHeLa細胞lysateを使用し、その総タンパク1μgを泳動して得られるCRTバンドの強度を1unitとした。膀胱癌、正常上皮組織とも各レーンに総タンパク質1μgずつをロードしWBを行ったところ、膀胱癌では1.02±0.39units/mg total protein (mean±SD)、正常上皮では0.40±0.32と有意に癌での発現増強が認められた(p=0.0003)。 次に尿を検体として検討を行った。70例の未治療膀胱癌患者および170例の対照患者(前立腺肥大症91、前立腺癌56、尿路感染症8、腎細胞癌4、結石6、特発性血尿5)の自然排泄尿を用いてSPA-600抗体によるWBを行った。評価はCRTバンドの有無で定性的に行った。陽性率は膀胱癌群で73%(51/73検体)、対照群で18.2%(31/170検体)であった。対照群のうち特に偽陽性率が高かったのは尿路感染症で8例中7例(87.5%)に陽性反応が認められた。尿路感染症を除外項目とすると偽陽性率は14.8%(24/162検体)となり、特異度は85.2%となった。 異型度別陽性率はGrade 1:50%、Grade 2:70%、Grade 3:73%で、深達度別ではTis:100%、Ta〜T1:65%、T2以上:71%であり各カテゴリー間の差がなかった。さらに尿細胞診の診断結果との比較では、classIV・VがCRT陽性率73%であるのに対し、I・II・IIIでも67%と、細胞診陰性・疑陽性例でも十分な感度を保っていた。少数例のパイロットスタディではあるが、これら尿中CRTの感度・特異度は既存の尿中マーカーで文献的に報告されている数値と同等あるいはそれ以上のものであった。
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Research Products
(3 results)