2004 Fiscal Year Annual Research Report
ホルモン不応性ヒト前立腺癌に対する新しい治療法の開発
Project/Area Number |
15591689
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
碓井 亞 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30034060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神谷 研二 広島大学, 原爆放射線医学研究所, 教授 (60116564)
松原 昭郎 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (10239064)
安本 博晃 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (20314750)
三田 耕司 広島大学, 病院・助手 (70304425)
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Keywords | 腫瘍抑制 / ホルモン不応性 / FGFR2IIIb / 遺伝子移入 / 上皮・間質相互作用 / 分化誘導 / アポトーシス |
Research Abstract |
受容体チロシンキナーゼとして細胞機能を調整する繊維芽細胞成長因子受容体(Fibroblast Growth Factor Receptor, FGFR)の1つであるFGFR2IIIbは、アンドロゲン存在下に前立腺上皮細胞の増殖、分化を調節する重要な制御因子で、アンドロゲン依存性からホルモン不応性への悪性化の過程で消失あるいは減少する。 このアンドロゲン依存性消失の過程で変化するFGFR2IIIbに注目し、FGFR2IIIbの増殖抑制作用や分化誘導作用の分子生物学的機構を明らかにするために、ホルモン不応性ヒト前立腺癌樹立細胞にwide-type FGFR2IIIb遺伝子を導入し、in vitroおよびin vivoにおいて検討した。 その結果、FGFR2IIIb遺伝子を移入したホルモン不応性ヒト前立腺癌細胞にwide-type FGFR2IIIb遺伝子発現が確認できた。このFGFR2IIIb遺伝子移入癌細胞の増殖は抑制され、ラクトフェリン分泌が回復する結果から細胞分化の促進もみられ、さらにアポトーシス細胞の出現が確認できた。In vivoにおける雄ヌードマウスへの移植実験においても、腫瘍形成能は対照群に比較して明らかに抑制された。この機序としては、FRS2リン酸化やp44/42 MAPキナーゼ発現の亢進が認められ、この経路がアポトーシス誘導の機序と考えられた。 さらに、ホルモン不応性ヒト前立腺癌細胞に対するFGFR2IIIbのアポトーシス誘導作用を高め、増殖抑制効果をさらに増強させる目的で放射線外照射ならびに抗癌剤との相乗効果を検討した。その結果、FGFR2IIIb導入細胞における外照射後のコロニー数はMock細胞のそれより有意に減少し、同様に抗癌剤添加によってFGFR2IIIb導入細胞におけるcell viabilityは濃度依存性に低下した。
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Research Products
(6 results)