2005 Fiscal Year Annual Research Report
膀胱移行上皮癌における転移関連遺伝子群の系統的発現制御に基づく抗癌治療の新規戦略
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15591692
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
井上 啓史 高知大学, 医学部, 助教授 (00294827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辛島 尚 高知大学, 医学部, 助手 (60304672)
執印 太郎 高知大学, 医学部, 教授 (80179019)
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Keywords | メチル化 / E-cadherin / 膀胱移行上皮癌 / 浸潤 / 転移 |
Research Abstract |
転移能や細胞異型度の異なるヒト膀胱移行上皮癌細胞株7株(T24, EJ-1, HT-1197, RT4, 253J-P, 253J-BV, UM-UC-14)と旭テクノグラスより購入した正常細胞株、RPTEC(近位尿細管上皮細胞)とHUVEC(ヒト臍帯静脈内皮細胞)(旭テクノグラス)を用いて、転移関連遺伝子のプロモーター領域でのDNAメチル化をMethylation specific PCR法(MSP法)E-cadherin、Combined bisulfite restriction analysis法(COBRA法)MMP2, MMP9, TIMP1, TIMP2で同定した。また、さらに臨床生検材料44検体(膀胱移行上皮癌組織22検体、正常膀胱粘膜組織22検体)を用いてDNAメチル化の同定を行った。 その結果、E-cadherinに関しては、癌細胞株でのメチル化の結果(T24, EJ-1, 253J-Pはpartial methylated、HT-1197, RT4, 253J-BV, UM-UC-14はunmethylated)ばかりではなく、正常膀胱粘膜組織のメチル化の結果でも検体ごとにpartial methylatedおよびunmethylatedが混在していた。MMP2-1, MMP9-1, TIMP2-1に関しても癌細胞株ばかりではなく、膀胱移行上皮癌組織および正常膀胱粘膜組織には検体ごとにpartial methylatedおよびunmethylatedが混在していた。さらに、膀胱移行上皮組織および正常膀胱粘膜組織のメチル化に差は認めなかった。 癌細胞株においてメチル化しており、RT-PCR法でRNA発現抑制を認めたE-cadherin(T24, EJ-1)とTIMP2(HT-1197, KMBC-2)についてメチル化阻害剤5-アザデオキシシチジン(5-aza-deoxycytidine(5-aza))処理とヒストン脱アセチル化阻害剤(trichostatin A(TSA))処理による遺伝子再発現の誘導を行い、遺伝子発現とDNAメチル化の関与を確認した。 その結果、T24はcontrolとしての処理前、TSA処理でも発現がなく、5-aza処理をした場合のみ発現を認め、メチル化がE-cadherinの発現に関与していると考えた。EJ-1に関してはcontrolとしての処理前で発現が弱く、5-aza処理、TSA処理で発現を認め、メチル化がE-cadherinの発現に関与していると考えた。また、HT1197、KMBC-2ともに処理前後ともに発現に差を認めないため、TIMP2の発現にメチル化は関与していないと考えた。 以上の結果を報告書として取りまとめている。
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