2004 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺癌の進展におけるp66Shcの機能的役割に関する研究
Project/Area Number |
15591696
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
井川 掌 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (40295069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 英樹 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (40235122)
金武 洋 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (50100839)
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Keywords | 前立腺癌 / p66Shc / p52Shc / LNCaP細胞 |
Research Abstract |
前年度に引続き主として培養細胞を用いた検討を行い、以下に示すような結果を得るに至った。 (1)p66Shc cDNAトランスフェクションによる細胞増殖に対する影響の検討 RT-PCR法により調整したp66Shc cDNAをLNCaP C-33細胞に導入してstable transfectionを作成した。この細胞を用いて、その増殖をflow cytometryで検討したところ、p66Shcの発現増加に呼応して細胞増殖の著名な増加が観察された。前年度の解析で、細胞増殖速度の速い前立腺癌細胞株でより高いp66Shcの蛋白レベルが認められたこと、DHTやEGFなどの細胞増殖刺激により発現増加がより高いp66Shcの蛋白レベルが認められたこと、DHTやEGFなどの細胞増殖刺激により発現増加が観察されたことからも、p66Shcは前立腺癌細胞において、細胞増殖に強く関連して発現するアダプター蛋白であると推測された。 (2)p52Shcの役割に関する検討 上記の結果から、やはり細胞増殖シグナルと関連するとされるp46/p52Shcについても前立腺癌細胞におけるその挙動に興味が持たれるところであり、これについて同じ細胞系を用いて検討をおこなった。p52Shcに関しては、p66Shcと異なり、種々の条件下での蛋白レベルの発現には変化が見られなかったものの、興味あることにそのリン酸化レベル、特にCH1ドメインのY317におけるリン酸化が、細胞増殖能の高い前立腺癌細胞種で亢進しており、またLNCaP細胞のDHT刺激時にも3-4倍上昇することがわかった。さらにY317F mutantを導入するとDHTによるLNCaP C-33の増殖が抑制された。 結論:前立腺癌細胞の増殖に関連して、p66Shc,p52Shc何れもが発現上昇を示した。ただし、そのパターンは両者で異なり、p52Shcは特にリン酸化、p66Shcは蛋白レベルの増加が重要であった。
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Research Products
(1 results)