2003 Fiscal Year Annual Research Report
泌尿器科癌におけるNa,K-ATPaseの役割:Caシグナルとアポトーシス誘導
Project/Area Number |
15591700
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
大野 芳正 東京医科大学, 医学部, 講師 (40266482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 由英 琉球大学, 医学部, 教授 (50051719)
橘 政昭 東京医科大学, 医学部, 教授 (70129526)
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Keywords | 泌尿器科癌 / Na, K-ATPase / アポトーシス / ジギタリス |
Research Abstract |
研究初年度にあたる本年度は、ジギタリス添加による各種培養細胞の生理学的な反応を検討するとともに、腎癌患者の手術検体より正常近位尿細管細胞および癌細胞のprimary cultureを行った。既存培養細胞は、前立腺癌細胞としてPC-3,DU-145,LNCaPを、腎癌細胞としてCaki-1,KU19-20を使用した。ウアバインの細胞増殖に対する効果は、ウアバイン投与後にアラマーブルーにて染色を行い、生細胞数を蛍光測定を行うことで検討した。いずれの細胞株にも増殖抑制効果がみられ、10〜200nM範囲で濃度依存性、また時間依存性に効果が認められることが確認された。また、MTT assayではミトコンドリア還元が抑制されることが確認できた。TUNEL法によるin situ labelingでは、各濃度でアポトーシスが誘導されていることが確認されたが、各濃度間でのアポトーシスの比率に優位な相関が認められるは至らなかった。今後の課題としてフローサトメトリーを用いたアポトーシス細胞の検出を検討している。 次に正常組織と腫瘍組織に対する生理学的効果を検討するために現在腎癌患者よりprimary cultureを行っている。現在までに正常近位尿管細胞としてTMUK-01,-02,-03,-04,-05,-06の6種、また腫瘍細胞としてTMUR-04,-05,-06の3種の細胞でprimary cultureに成功しており、凍結保存するとともに細胞増殖能をBrdU標織によるフローサイトメトリーにより評価しているところである。特にTMUK-04,-05,-06とTMUR-04,-05,-06は同一患者よりのprimary cultureに成功しており、今後はこれらに対するウアバインの効果を検討するとともに正常細胞と腫瘍細胞の反応性の差異について検討していく予定である。
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