2003 Fiscal Year Annual Research Report
再燃前立腺癌におけるリガンド非依存性アンドロゲン受容体活性化の機序に関する研究
Project/Area Number |
15591707
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
川嶋 秀紀 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (70234060)
|
Keywords | androgen receptor / hormone-refractory prostate cancer / type I growth factor receptor / Her2 / Neu / phosphorylation / activation function-1 / gefitinib / TAK165 |
Research Abstract |
ホルモン抵抗性前立腺癌(HRPC)におけるリガンド非依存性アンドロゲンレセプター活性化にいくつかのgrowth factor receptor tyrosine kinaseが関与しているという研究が散見されるが、実際に前立腺癌(PC)細胞内においてそれらgrowth factor receptorによりアンドロゲンレセプター(AR)のリン酸化が亢進しAR活性が上昇している事を示した報告はない。本研究で私たちはHer2/Neu tyrosine kinaseを強発現させたDU-145細胞ではその細胞内でARとMAP kinaseのリン酸化が亢進し、またHer2/Neu阻害剤であるTAK165によりそれらのリン酸化およびHer2/Neuにより亢進したAR活性が阻害される事を初めて示した。EGFR阻害剤であるZD1839(Iressa)もTAK165と同様にHer2/Neuで活性化されたAR活性をPC-3,DU-145細胞において阻害し、これら薬剤はホルモン抵抗性前立腺癌(HRPC)の治療に有効である可能性が示唆された。Her2/NeuによりARのどのドメインが活性化されるかをtruncated ARを用いたレポーターアッセイにて検討したところ、ARのN末側のホルモン非結合領域であるAF1+DBD領域の転写活性がHer2/Neuの強発現により上昇しTAK165によりその亢進は抑制されたが、リガンド結合領域を含むドメインであるAF2+DBDではHer2/Neuの強発現では活性は上昇しなかった。すなわちHer2/NeuはARのN末側のホルモン非結合領域を介してARの活性化にかかわり、このホルモン非依存性のAR活性化をTAK-165は阻害している事を示している。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] Shozo SUGITA, Hidenori KAWASHIMA, Tomoaki TANAKA, Takeshi KURISU, Kazunobu SUGIMURA, Tatsuya NAKATANI: "Effect of type I growth factor receptor tyrosine kinase inhibitors on phosphorylation and transactivation activity of the androgen receptor in prostate cancer cells : ligand-independent activation of the N-terminal domain of the androgen receptor"Oncology Reports. (In press).