2003 Fiscal Year Annual Research Report
腎細胞癌におけるアデノウイルスレセプターを用いた遺伝子治療の開発
Project/Area Number |
15591714
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
桶川 隆嗣 杏林大学, 医学部, 講師 (70306679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東原 英二 杏林大学, 医学部, 教授 (00092312)
奴田原 紀久雄 杏林大学, 医学部, 助教授 (00143470)
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Keywords | アデノウイルス / 腎癌 / histone deacetylase inhibitors / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
目的:アデノウイルスベクターを用いた遺伝子治療を行う場合に、標的細胞におけるCoxsackie and adenovirus receptor(CAR)の発現検査によって、細胞毒性と免疫反応が予測でき、より安全に遺伝子治療ができる可能性があると考えられる。我々は、腎癌細胞株と臨床検体での腎癌のCAR発現を検討した。最近、histone deacetylase inhibitors(HDI)より標的細胞におけるCARの発現量が増加し、感染効率に影響していることがわかった。HDIであるFR901228と腎癌細胞のCAR発現量の関係を検討した。 方法:4種類の腎癌細胞株(Caki-1,ACHN,A498,VMRC-REW)を使用した。臨床検体では30例の腎癌組織と正常組織を採取した。免疫染色法とSemiquantitative reverse transcription polymerase chain reaction(RT-PCR)に.よるCAR ratioを測定し、腎癌の病期分類、異型度との比較検討を行った。FR901228による腎癌細胞株のCAR発現量をフローサイトメーターとSemiquantitative RT-PCRを用いて検討した。 結果:腎癌組織のCARは、ほとんど発現していなかった。0.01〜1.0ng/mlのFR901228で処理した腎癌細胞のCAR発現効果はFR901228の濃度に比例してCAR発現量が増加していた。1.0ng/mlのFR901228で処理した腎癌細胞のadCMV-β-galの感染効率は5〜8倍増強していた。これらの結果、至適濃度でのFR901228を用いた場合、アデノウイルスベクター単独より、約1/5以下の力価で同じ治療効果が期待された。 結論:HDIであるFR901228は、腎癌細胞のCAR発現を増加させる作用があり、今後の腎癌の遺伝子治療法に有用であると考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Okegawa T: "Predictors of prostate cancer on repeat prostatic biopsy in men with serum total prostate-specific antigen between 4.1 and 10 ng/ml"Int J Urol. 10. 201-206 (2003)
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[Publications] Okegawa T: "Detection of mucin 7 gene expression in exfoliated cells in urine from patients with bladder tumor"Urology. 62. 182-186 (2003)
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[Publications] Pong RC: "Epigenetic Regulation of Coxsackie and Adenovirus Receptor (CAR) Gene Promoter in Urogenital Cancer Cells"Cancer Res. 63(24). 8680-8686 (2003)