2004 Fiscal Year Annual Research Report
再燃前立腺癌に対するペプチドワクチンの基礎及び臨床研究
Project/Area Number |
15591721
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Research Institution | KURUME UNIVERSITY |
Principal Investigator |
野口 正典 久留米大学, 医学部, 助教授 (10140691)
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Keywords | 再燃前立腺癌 / ペプチドワクチン療法 / 免疫療法 / エストラムスチン / テーラーメイド |
Research Abstract |
再燃前立腺癌に関しては、第I相臨床試験においてペプチドワクチン療法の安全性が確認され,さらに数例においてはPSAの低下、骨転移の消失が認められた。また、低用量エストラムスチン併用で臨床効果が増すことや、低容量でのエストラムスチン併用ではペプチドワクチン療法による免疫反応を抑制しないことが判明した。2003年より従来のペプチドに前立腺特異抗原であるPSA, PAP, PSMA由来の新規ペプチド(PSA152,PSA248,PAP213,PSMA624)を加え、再燃前立腺癌に対してテーラーメイド型ペプチドワクチン療法の早期第II相臨床試験を行っている。本年度は、これまで6回以上のワクチン投与が可能であった症例についてその安全性、有害事象、免疫応答、臨床効果等について検討した。ホルモン不応性再燃前立腺癌に対してテーラーメイド型ペプチドワクチン療法と低用量エストラムスチンの併用療法を行い、これまで6回以上のワクチン投与が可能であったのは49症例であった。ホルモン不応答性前立腺癌へのペプチドワクチン単独療法の副作用は局所反応が主体であり、安全性が確認された。また、低用量エストラムスチンとの併用療法においてもgrade IIIとgrade IVの有害事象が49例中4例及び1例のみであった。いずれもワクチン投与部変更やエストラムスチンの一時中断で改善した。免疫反応としてはCTL反応を59%に抗体反応を76%に認めた。また、ペプチドワクチン投与後前立腺全摘術を施行した症例では、前立腺内にコントロールに比較してCD4,CD8陽性のTリンパ球浸潤を認めた。臨床効果としてはワクチン単独ではPR4例のみであり全体的には増悪までの期間は2ヶ月であり、単独療法の限界が確認された。しかしながら、低用量エストラムスチンと併用した78%(全てエストラムスチン不応答例)においては抗腫瘍効果がありPR7例に達し、生存期間(中央値)も24ヶ月の達し、医薬品承認レベルに達し、現在併用療法の治験申請中である。
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Research Products
(12 results)