2004 Fiscal Year Annual Research Report
胚を活性誘導するヒト子宮内膜上皮の接着分子の同定とその発現機構の分子生物学的解析
Project/Area Number |
15591743
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小阪 謙三 京都大学, 医学研究科, 助手 (90359828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 信也 京都大学, 医学研究科, 助手 (90333575)
樋口 壽宏 京都大学, 医学研究科, 助手 (00283614)
藤原 浩 京都大学, 医学研究科, 講師 (30252456)
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Keywords | 子宮内膜上皮細胞 / 胚 / 接着分子 / 末梢血単核球 / DNA array / Eph-ephrin |
Research Abstract |
これまでにヒト胚着床現象において分泌期中期の子宮内膜上皮細胞のみ接着能があること、およびそのヒト子宮内膜上皮細胞のみ接着能および胚の浸潤能の制御に局所の免疫細胞が関与している可能性や胚由来の因子がその免疫細胞の作用を増強している可能性を提示してきたが、胚が子宮内膜上皮との接着から次の子宮内膜浸潤へと至るためには胚の活性化が必須とされ、その過程には子宮内膜上皮細胞とその接着により胚に対して何らかのシグナルが伝達される機構の存在が推察されている。本研究では、免疫細胞の作用により接着能を獲得した子宮内膜上皮培養細胞に発現する遺伝子群をDNA array法で選別し、胚に対する新たなシグナル伝達作用のある細胞接着分子との観点から、ヒト子宮内膜上皮およびヒト胚にEph-ephrin系分子が発現することを明らかにしてきた。また、これらの分子とヒト子宮内膜上皮細胞およびマウス胚との結合能を確認したことから着床時に相互作用する分子の候補であると考え、ヒト子宮内膜上皮細胞およびマウス胚盤胞を用いたEph-ephrin系分子のbioassay系を作成して検討を加えたところ、Eph分子はマウス胚盤胞の接着を抑制する可能性、またephrin分子は子宮内膜上皮細胞の細胞間接着を減弱する可能性が考えられた。この分子のヒト子宮内膜上皮細胞や胚に対する作用について、現在さらに詳細に解析をすすめており、今後、遺伝子改変操作などを含めた実験系の整備を行うなどの課題が残った。
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Research Products
(5 results)