2003 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノムインプリント機構の破綻と発癌機構に関する研究
Project/Area Number |
15591758
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
有馬 隆博 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (80253532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 貴雄 九州大学, 大学病院, 助手 (10304825)
加藤 秀則 九州大学, 大学病院, 講師 (60214392)
加藤 聖子 九州大学, 生体防御医学研究所, 講師 (10253527)
和氣 徳夫 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (50158606)
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Keywords | ゲノムインプリント / 卵巣癌 / ZAC / アポトーシス / カスパーゼ / Kip2 / LIT1 / メチル化 |
Research Abstract |
1.ZAC遺伝子の癌抑制機能とその不活化調節機構について 1)テトラサイクリンによりZACの発現を誘導する卵巣癌細胞株を樹立した。ZACの発現亢進に伴い細胞増殖抑制と造腫瘍能抑制が認められた。 2)伝子導入した細胞株(野生型p53、変異型p53)を用いアポトーシスを誘導能について、細胞周期分布(FACS)および免疫染色法(Apotag)を用い検討した。さらにアポトーシス関連蛋白についてはWestern blot法にて比較した。ZACはp53非依存性にSubG1期に細胞の集積を認め、免疫染色法でもアポトーシスを誘導することが判明した。またカスパーゼ8及び9阻害剤を用いアポトーシスが回避されたことから、両者のカスパーゼ経路を介していることも推測された。3)脱メチル化剤及び脱アセチル化阻害剤投与のいずれにおいてもZACの発現回復を認め、また両者でさらに発現の増強を認めたことより、ZACの発現調節にはDNAメチル化だけでなくヒストンのアセチル化も関与することが予想された。以上の結果より、新しいインプリントを介した腫瘍形成のメカニズムの解明と、ZACが卵巣癌治療における新たな分子標的治療のターゲットとなり得る可能性が示唆された。 2.ZAC-KIP2インプリント間のシグナル伝達経路について 1)各遺伝子プロモーター領域のCpG島のDNAメチル化についてBisulphite-PCR法にて解析した。 1)プロモーター領域のCpG島は高メチル化状態であった。 2)コンビナントZAC蛋白を用いKip2及びLIT1上流の結合能をゲルシフト法にて調べた。メチル化ZACと非メチル化ZACを添加し、Kip2及びLIT1の発現量の変化をルシフェラーゼアッセイで比較した。ZAC蛋白はLIT1と結合したが、Kip2とは結合しなかった。 3)非メチル化ZACを添加した場合、LIT1の発現量は約6倍に増加したが、Kip2では差を認めなかった。またメチル化ZACの場合も変化を示さなかった。4.BWSの患者とTNDMの患者で各遺伝子のメチル化状態に相関を示した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Asanoma K, et al.: "NECC1, a candidate choriocarcinoma suppressor gene which encodes homeodomain cosensus motif"Genomics. 81. 15-25 (2003)
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[Publications] Ueoka Y, et al.: "Hepatocyte growth factor modulates motility and invasiveness of ovarian carcinomas via Ras mediated pathway"Molecular and cellular endocrinology. 202. 80-88 (2003)
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[Publications] Yamayoshi A, et al.: "Photodynamic antisense therapy : regulation of cervical carcinoma cells by psoralen-conjugated oligonucleotides"Nucleic Acid Research Supplement. 3. 75-76 (2003)
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[Publications] Matsuda T, et al.: "Genetics and molecular markers in gestational trophoblastic desease with special reference to their clinical application"Best Practice & Research Clinical Obstetrics and Gynecology. 17,6. 827-836 (2003)
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[Publications] Oudejans CBM, et al.: "The parent - of - origin effect of 10q22 coincides with two regions enriched for genes with downregulated expression in androgenetic placenta"Human Molecular Genetics. (in press). (2003)