2003 Fiscal Year Annual Research Report
双胎妊娠における母児相関の解析による胎児生体リズムに影響を及ぼす母体因子の解明
Project/Area Number |
15591760
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
室 雅巳 佐賀大学, 医学部, 講師 (80284652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄野 真由美 佐賀大学, 医学部, 助手 (00336132)
庄野 秀明 佐賀大学, 医学部, 教授 (10154345)
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Keywords | 胎児生体リズム / 胎児持続性頻脈 / 胎児心拍数基線 / 双胎妊娠 |
Research Abstract |
1.胎児心拍数基線を規定する胎児因子を解明する目的で双胎間の心拍数基線の差を膜性、双胎間の性差により比較した。妊娠34から38週の双胎20例(一絨毛膜性双胎(MD)7例、二絨毛膜性双胎(DD)13例)を対象として5分毎に算出した胎児心拍数基線を比較、更に各双胎間の1時間毎の平均心拍数基線の差を算出し、膜性および双胎の性別の組合せ(男児男児、女児女児、男児女児)による比較と日内変動の有無を検定した。その結果、双胎の心拍数基線はMDと比較してDDで大きな差を示し、胎児心拍数基線に対する遺伝的素因の影響が示唆された。またMDでは胎児の性別による差の変化は認めないがDDでは両児が男児の時に差が最も大きく、両児が女児の時に最も差を示しにくいことが判明した。 2.双胎間の胎児持続性頻脈の出現様式を比較し、胎児持続性頻脈発生に対する母体、環境因子の影響を検討した。妊娠35から37週の双胎妊娠15例(MD7例、DD8例)に対して24時間双胎心拍数同時収録を施行し、各症例のおいて胎児持続性頻脈を同定した。胎児持続性頻脈は15例30胎児のうち9胎児において認められたが、MD)、DDともに双胎間で同期して発現した症例は認められなかった。この結果から胎児持続性頻脈は母体因子により誘発されているのではなく胎児固有の因子によって発現する可能性が高いと考えられた。しかし2〜11時の間では胎児持続性頻脈は全く認められないことから母体リズムを背景にした持続性頻脈の抑制因子存在の可能性も示唆された。 3.胎児心拍数基線における日内変動の妊娠週数に伴う変化に関して1例の正常単胎妊娠について21-36週までlongitudinal studyを行った。その結果妊娠21週から既に胎児心拍数基線の日内変動は存在すること、妊娠進行に伴って基準心拍数は低下するが時間帯によって低下の過程と程度が異なることが判明した。
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Research Products
(1 results)