2003 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内膜症の発生に関与する免疫系遺伝子の遺伝子多型解析
Project/Area Number |
15591772
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
北脇 城 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教授 (00204925)
|
Keywords | 子宮内膜症 / 遺伝子多型 / HLA / TNF-α / サイトカイン / インターフェロン・ガンマ |
Research Abstract |
子宮内膜症は性成熟期女性の約10%に発生し、増加傾向にある疾患である。本疾患の病因は未だ不明であるが、多因子疾患であり、遺伝因子に環境因子が加わって発症すると考えられている。我々は、学内倫理委員会の承認を得て患者の末梢血DNAの採取を5年前から開始し、既に600名のデータベースを得ている。これはすべて腹腔内所見を確認して臨床進行期のスコアを詳細に記載したものであり、世界に類をみない。これを用いて患者-対照研究を行い、疾患感受性遺伝子の検索を行っている。子宮内膜症はエストロゲン依存性に増殖・退縮し、免疫系あるいはサイトカインがその発生・増殖に強く関与することが知られている。現在までの研究ですでに論文発表した遺伝子多型は、エストロゲン関連遺伝子であるエストロゲン・レセプターαおよびCYP19(アロマターゼ)、そして免疫関連遺伝子であるインターロイキン-10およびHLAの一部のハプロタイプである。今回の研究では、DNA試料をさらに100例分追加して、全体で700名となった。これらを用いて、当初の計画どおりTNF-αのプロモーター領域の遺伝子多型が子宮内膜症と関連することを見いだした。論文は下記のとおり近日中に出版されることとなっている。その他、子宮内膜症の発生・増殖に関連することが示されている免疫系遺伝子である、HLA、インターロイキン各種、インターフェロン等の遺伝子多型について引き続き鋭意検討中である。
|
-
[Publications] Kado N, Kitawaki J, Koshiba H, Ishihara H, Kitaoka Y, Teramoto M, Honjo H: "Relationships between the serum levels of soluble leptin receptor and free and bound leptin in non-pregnant women of reproductive age and women undergoing controlled ovarian hyperstimulation"Human Reproduction. 18. 715-720 (2003)
-
[Publications] Koshiba H, Kitawaki J, Fujita H, Honjo H, Okumura J: "Giant ovarian tumor removed after preoperative drainage, with abdominoplasty. A case report"Journal of Reproductive Medicine. 48. 652-654 (2003)
-
[Publications] Teramoto M, Kitawaki J, Koshiba H, Kitaoka Y, Obayashi H, Hasegawa G, Nakamura N, Yoshikawa T, Matsushita M, Maruya E, Saji H, Ohta M, Honjo H: "Grenetic contribution of tumor necrosis factor (TNF)-a gene promoter (-1031, -863 and -857) and TNF receptor 2 gene polymorphisms in endometriosis susceptibility"Am Journal of Reproductive Immnunology. (In press).
-
[Publications] Kitaoka Y.Kitawaki J, Koshiba H, Inoue S.Ishihara H, Teramoto M, Honjo H: "Aromatase cytochrome P450 and estrogen and progesterone receptors in uterine sarcomas : correlation with clinical parameters"Journal of Steroid Biochemistry and Molecular Biology. (In press).