2003 Fiscal Year Annual Research Report
カニクイザルモデルによるHIV垂直感染の解析と予防
Project/Area Number |
15591782
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
早川 智 日本大学, 医学部, 助教授 (30238084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
シェイク アリムザマン 日本大学, 医学部, 助手 (10277436)
千島 史尚 日本大学, 医学部, 講師 (50277414)
山本 樹生 日本大学, 医学部, 教授 (40167721)
本多 三男 国立感染症研究所, エイズ研究センター, 第一研究グループ長 (20117378)
根本 則道 日本大学, 医学部, 教授 (80096875)
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Keywords | HIV垂直感染 / 胎盤関門 / 新生児免疫不全 / 脱落膜大顆粒リンパ球 / アポトーシス |
Research Abstract |
妊娠カニクイザルにSHIVを静脈投与することにより、子宮内感染を来たす系を確立した。このサルモデルにより以下の事実が判明した。 1】経胎盤感染は妊娠初期,中期、後期いずれの時期にも生じえるが、ウイルスの血中濃度に依存する。 2】垂直感染に先立って脱落膜大顆粒リンパ球、胎盤絨毛細胞,Hofbauer細胞にSHIVが感染を来たす。 3】脱落膜CD56陽性リンパ球はサル、ヒト共にCD4非依存,CCR5あるいはCXCR4依存性にHIV(ヒト),SIV(カニクイザル),SHIV(ヒトおよびカニクイザル)に感染する。 4】この感染はケモカイン(RANTES,MIP-1alpha,MCP-1)によって抑制されるが抗CD4抗体,CD4に結合するIL-16による抑制を受けない。従ってCD4非依存性の感染である。 5】SHIV感染カニクイザル胎盤では絨毛細胞に8-OHDG HNEが強く染色され,強い酸化ストレスの存在が示唆された。また、TUNEL染色でapotosisに陥った細胞の増加が認められた。 6】HIV (SHIV)に感染したヒトあるいはサル胎盤絨毛細胞は急速にアポトーシスに陥るがtatを介する場合と介さない場合がありその詳細な機序は不明である。 7】胎児免疫臓器(脾,リンパ節,胸腺)では広範なリンパ球のアポトーシスが認められたが必ずしもSHIVの取り込みは見られず,Nf kb Ikbの活性化が見られ、サイトカインやPD-L1などの関与が示唆された。 8】現在アポトーシスに関わ細胞内シグナル伝達機構の解明と、ワクチンによる垂直感染の抑制を検討中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Hatta Y, Arima N, Machino T, Itoh T, Hashimoto S, Takeuchi J, Sawada U, Hayakawa S, Yamamoto T, Ho: "Mutational analysis of IkappaBalpha in hematologic malignancies."International Journal of Molecular Medicine. 11. 239-242 (2003)
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[Publications] Sugita K, Hayakawa S, Karasaki-Suzuki M, Hagiwara H, Chishima F, Nishina: "Granulocyte colony stimulation factor (G-CSF) suppresses Interleukin(IL)-12 and/or IL-2 induced Interferon (IFN)-γ production and cytotoxicity of decidua"American Journal of Reproductive Immunology. 50. 83-89 (2003)
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[Publications] 西成田進, 早川 智, 山本樹生: "HIV感染妊婦の管理"産婦人科の実際. 52. 771-776 (2003)
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[Publications] 早川 智, 西成田進, 山本樹生, 本多三男: "母子感染の現況と治療的戦略 HIV感染妊婦の管理とその問題点"産婦人科の実際 増刊 ベストEBM産婦人科治療. 52. 2057-2067 (2003)