2005 Fiscal Year Annual Research Report
脳神経発達障害におけるミトコンドリア膜透過性遷移の役割に関する研究
Project/Area Number |
15591783
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
中井 章人 日本医科大学, 医学部, 助教授 (20227721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷内 良成 日本医科大学, 医学部, 助手 (20318512)
奥田 直貴 日本医科大学, 医学部, 助手 (00366759)
三宅 秀彦 日本医科大学, 医学部, 助手 (40297932)
横田 明重 日本医科大学, 医学部, 講師 (80287763)
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Keywords | ミトコンドリア / 脳神経発達障害 / 膜透過性遷移 |
Research Abstract |
本研究は、胎児、新生児期の低酸素傷害による脳神経発達障害とアポトーシスと密接に関連するミトコンドリア膜透過性遷移(mitochondrial permeability transition ; mPT)の関連を明らかにすることを目的としている。 これまでに(平成15-16年度)、妊娠20日目のラットを対象に、片側子宮動脈30分間虚血・再灌流モデルを作成し遅発性のミトコンドリア機能障害とミトコンドリアが著明な膨化を示すことを確認し、アポトーシスと密接に関連するmPTが発生することを確認した。 今年度は引き続き、同様の動物モデルを用い、ミトコンドリアを標的とした様々な薬物の治療効果を検討した。 虚血前、虚血終了直後、再灌流1時間、4時間、8時間で、帝王切開にて胎仔を娩出、直ちに断頭し、脳組織を摘出、homogenateを作成、細胞分画法にてミトコンドリアを単離した。その後、単離ミトコンドリアの呼吸機能活性を、微量検体用のchamber内で、クラーク式酸素電極を用い測定し、遅発性のエネルギー代謝不全の出現を確認した。また、同様の試料より電子顕微鏡による観察を行った。 その結果、様々な抗酸化物質、カルシウム拮抗剤で遅発性のエネルギー代謝不全が改善され、免疫抑制剤によりミトコンドリアの膨化が著明に抑制され、mPT発症を防ぐことが確認された。また、アスピリンは用量依存性に効果を示し、実臨床におけるハイリスク母体への低用量アスピリン療法の可能性を強く示唆する結果となった。
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Research Products
(1 results)