2004 Fiscal Year Annual Research Report
Wild-type p53分子をターゲットとした癌ペプチドワクチン療法の開発
Project/Area Number |
15591796
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
近松 一朗 群馬大学, 医学系研究科, 講師 (30301378)
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Keywords | ワクチン療法 / 頭頸部癌 / p53 / 細胞傷害性T細胞 |
Research Abstract |
癌抑制遺伝子p53は頭頸部癌において高頻度に変異を認める。変異によって集積したp53蛋白が頭頸部癌に対する癌ワクチンのターゲット分子となることが期待されているが問題点も存在する。 より多くの患者を対象に、効果的に抗腫瘍活性を誘導するために1)抗原エピトープを多く同定すること2)ペプチドを改変し免疫原性を上げることが考えられる。 我々はまず、wild-type p53蛋白を用いて健常人の末梢血を用いHLA class II拘束性エピトープを同定した。更に、このエピトープ特異的CD4+T cellsを癌患者より誘導した。こめCD4+T cellsを使って、自己癌特異的CTLのinduction phaseとeffector phaseにおけるCD4+T cellsのhelper functionを示した。以上の結果は抗腫瘍免疫反応におけるCD4+T cellsの重要性とともに癌ワクチンにおけるhelperエピトープの有用性を示唆する結果であった。 続いて既知のwild-type p53蛋白由来のclass I拘束性エピトープについて、エピトープ特異的CTLの誘導能についての比較検討を行なった。日本人に多いHLA-A2とA24を対象にそれぞれの拘束性エピトープを計7種類合成しこれを使って、健常人及び癌患者の末梢血からCTL誘導を試みたところ各ドナーでその反応は様々であったが、健常人に比して癌患者は反応が低下していた。癌患者に関しては更に自己の腫瘍のp53変異の有無を免疫組織化学的に調べて、p53変異の有無と抗p53特異的CTLの誘導における関係を明らかにしつつある。一方、癌患者は健常人に比較して免疫抑制機構によって、抗p53CTLの誘導が弱いと思われた。そのため、頭頸部癌患者のリンパ節及び末梢血中の樹状細胞の比率や成熟度等を解析し、免疫抑制機構の一部を明らかにできた。
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Research Products
(4 results)