2004 Fiscal Year Annual Research Report
鼻過敏症に対する予防医学の確立をめざす遺伝子多型解析と細胞機能に関する統合的研究
Project/Area Number |
15591797
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
寺田 修久 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (70197797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 美孝 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40169157)
大川 徹 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (40344981)
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Keywords | 鼻過敏症 / 予防医学 / 遺伝子多型解析 / 好酸球 / サイトカイン / ケモカイン |
Research Abstract |
好酸球関連遺伝子多型とスギ花粉症発症との関係について調査研究をおこなった。Eotaxin G(123G/A)、ECP promoter 393C/T、IL5(-703C/T) genotypeを解析し、(1)健常人との発現率の差、(2)末梢血好酸球数、血漿中のeotaxin濃度、(3)血清中総IgE、スギ花粉特異的IgE値、(4)発症年齢について検討を加えた。結果は以下の通りであった。(1)今回検討したgenotypeはいずれも健常人とスギ花粉症患者間で有意な差はみられなかった。(2)(3)Eotaxin G(123G/A)で、THR23 allele(123G/A)を有する症例では有さない症例と比較して血漿中eotaxin濃度は有意に低値を示していた。また、血清中総IgE値、スギ花粉特異的IgE値も有意に低値を示していた。一方、好酸球数には差が見られなかった。ECP promoter 393C/Tでは血清中ECPレベルでも差が見られなかった。検討した全てのパラメーターで有意な差がなかった。IL5(-703C/T)genotypでは、CCホモの症例では他の症例と比較して末梢血好酸球数は有意に高値を示していた。(4)好酸球関連遺伝子多型群のうちEotaxin G(123G/A)でALA23-THR23型は有意に発症年齢が遅かった。以上より、好酸球関連遺伝子多型群のうちEotaxin G(123G/A)、IL5(-7O3C/T)は感作成立後の症状発現時期、鼻粘膜過敏性に影響を与えている可能性がある。IL-4Rα鎖遺伝子多型に加えて好酸球関連遺伝子多型群を同時に解析することはスギ花粉症の予防医学に有用と思われた。
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Research Products
(1 results)