2003 Fiscal Year Annual Research Report
Functional MRIを用いた聴覚障害,前庭機能障害の回復・代償過程の解析
Project/Area Number |
15591807
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
鈴木 幹男 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (00226557)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜井 弘徳 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (60303765)
花満 雅一 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (30346027)
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Keywords | 脳機能画像 / functional MRI / 聴覚障害 / 前庭機能障害 / 回復過程 / 代償過程 |
Research Abstract |
1.聴覚障害の解析 高性能MRI用非磁性ヘッドホンを用いて以下の検討をおこなった。実験に先立ちヘッドホンの音圧校正のため人工耳,外耳道挿入マイクロホンを作成し入出力関係を測定した。(対象・方法)突発性難聴新鮮例4例,難治性耳鳴例4例を対象に健側耳音刺激による聴覚野反応(Sparse sampling法)を測定した。音刺激はClick音,ホワイトノイズ(90 dBSPL)を用いた。時間経過は発症1週間以内,発症後1ヶ月,6ヶ月の3回の時間軸について同じ刺激を用いて同じ条件で測定した。(結果)突発性難聴の聴力回復が良好な症例では初回検査時から,1次聴覚野,聴覚連合野の反応は良好で,健聴人と大差なかった。中等度以上の難聴では治療経過とともに聴覚野の反応は改善した。難治性耳鳴症例では耳鳴耳と反対側の聴覚野に活動亢進がみられ,またホワイトノイズにて耳鳴を抑制すると視床の活動が低下し,一次聴覚野の反応亢進と視床活動が難治性耳鳴と関連していると推察された。 2.前庭障害の解析 前庭の直流刺激用システムを用いて以下の検討をおこなった。(対象・方法)正常対照12例と前庭神経炎1例を対象に閉眼時と開眼固視時の前庭刺激による反応を検討した。前庭神経炎症例に関しては現在症例を蓄積中であり,ここでは正常対照での結果を述べるにとどめる。(結果)閉眼時には島皮質(カロリック刺激より前下方),楔前部に賦活を認めた。固視時には頭頂間溝,下頭頂小葉に賦活を認め眼球運動に関係する部位が前庭活動による反応を抑制していることが示唆された。
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